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「Google Chrome 83」は“DNS-over-HTTPS”に対応、セキュリティ設定も刷新され使いやすく
Chromeが健全な状態か調べる[安全確認]が便利。シークレットモードのCookie管理も改善も
2020年5月22日 16:42
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先日リリースされた「Google Chrome 83」では、セーフブラウジングの強化をはじめとするさまざまなセキュリティ改善が加えられている。米Googleは5月20日(日本時間)、その詳細を公式ブログ“Google Japan Blog”で明らかにした。
設定画面の刷新
まず、設定画面がアップデートされ、どこで何が設定できるのかがわかりやすくなった。[ユーザー]セクションは[Google の設定]セクションと改められ、「Chrome」で利用している“Google アカウント”に関する設定を集約。その下に[自動入力]、[安全確認]、[プライバシーとセキュリティ]といったセクションが配置されている。
[安全確認]セクションは新たに設けられた項目で、「Chrome」が最新版かどうか、不正使用されているパスワードがないか、セキュリティ機能“セーフブラウジング”は有効になっているかなどをまとめてチェックできる。「Chrome」を安全に利用するためにも、ときどき確認しておくとよいだろう。
また、閲覧履歴を定期的に削除したいというニーズに応えて、[閲覧履歴データの削除]項目が[プライバシーとセキュリティ]セクションの一番上に移された。「Chrome」の動作が不安定な場合や、PCに閲覧履歴を残したくない場合に活用したい。
さらに、[プライバシーとセキュリティ]セクションの一番下にある[サイトの設定]セクションもアップデートされている。「Chrome」が管理する権限は肥大化の一方にあるが、なかでも重要な位置情報やカメラ、マイクへのアクセス、通知を目立つ所に、それ以外を“その他の権限”に隠すことでメリハリをつけ、目的の権限を探しやすいデザインになった。
シークレットモードの強化
シークレットモードのCookieの管理も強化されている。シークレットモードではWebブラウザーを閉じるたびにCookieが削除されるが、最新版の「Chrome」ではそれに加え、閲覧中もサードパーティのCookieに限りデフォルトでブロックされる。CookieをブロックするとWebサイトのデザインが崩れたり、特定の機能が利用できなくなってしまうことがあるが、その場合はアドレスバーの“目”アイコンをクリックし、ポップアップでブロックを解除すればよい。
この機能はまずPC向けに提供されるが、いずれはAndroidなど他の環境でも利用可能となる。
拡張機能の管理がわかりやすく
そのほかにも、拡張機能を管理するアイコンがツールバーに追加。ツールバーにあふれていた拡張機能のアイコンをメニューにまとめ、お気に入りのものだけをピン留めしてツールバーに配置する方式に改められる。これまでもオーバーフローした拡張機能をメインメニューに収めることはできたが、専用のメニューが新設されたことでより分かりやすくなったといえるだろう。
“DNS-over-HTTPS”のサポート
また、「Chrome 83」では機能面でのセキュリティ強化も図られている。1つ目は「Chrome 83」のリリース記事でも紹介した強化版セーフブラウジングで、通常のセーフブラウジングよりも即時性に優れ、ユーザーにカスタマイズされた保護オプションが提供される。もう1つは“DNS-over-HTTPS(DoH)”のサポートだ。これは「Chrome 78」から実験されていた機能で、DNSサーバーに対する問い合わせ(“example.com”といったドメイン名からIPアドレスを調べること)を暗号化することでセキュリティやプライバシー保護を強化する。利用中のインターネットサービスプロバイダー(ISP)でDoHがサポートされていればデフォルトで有効化され、セキュリティ設定画面(chrome://settings/security)の“高度なセキュリティ設定”欄でオプションのカスタマイズが可能だ。
なお、これらの変更は段階的にロールアウトされるようだ。まだ利用できない場合は、そのまましばらく待つとよい。