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TLS 1.0/TLS 1.1を削除 ~「Google Chrome 84」がベータ版に
「V8 8.4」や混合コンテンツのアップグレード、HTTPSサイトでのHTTPダウンロードのブロックなども
2020年6月1日 14:39
米Googleは5月28日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 84」のベータ版に追加された新機能を発表した。「Chrome 84」では“Web OTP API”の導入や“Web Animations API”の改善がテストされる。
“Web OTP API”はこれまで“SMS Receiver API”と呼ばれていたAPIで、SMSを利用したワンタイムパスワード(OTP:one-time-password)の扱いを改善する。端末の所持(電話番号)確認や二要素認証の際にSMSで送られてくるコードをWebページへ入力するのが簡単になる。
一方、“Web Animations API”はWebコンテンツでアニメーションを実現するためのAPI。以前からも「Chrome」に実装されているものだが、「Chrome 84」ではこれを一新。エフェクトの合成をコントロール可能になったほか、イベントの置き換えなどの実装に役立つフックを備えた新しい実装が導入された。
さらに、試験的な標準規格を先行導入する仕組み“Origin Trial”で以下の機能が利用可能となる。
- Cookie Store API:HTTP CookieをService Workerに公開。“document.cookie”に代わる非同期な手段を提供
- Idle Detection:アイドル状態を開発者に通知し、その間にさまざまな処理を行えるようにする仕組み
- Origin Isolation:サイト分離よりも強力なセキュリティ機構
- WebAssembly SIMD:CPUのSIMD命令をWebAssemblyで利用可能に
また、“Content Indexing API”と“Promises”ベースの“Wake Lock API”が“Origin Trial”を卒業し、安定版に導入される見込みだ。
そのほかにも、画像ファイルを対象にした混合コンテンツの自動アップグレードやHTTPSサイトにおけるHTTPダウンロードのブロックが予定遅れで実施される。また、JavaScriptエンジン「V8」がv8.4へアップデートされ、プライベートメソッドおよびプライベートアクセサー、弱参照といった機能が導入される。TLS 1.0/TLS 1.1の削除にも注意したい。
「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。