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待望の設定同期機能が安定版に ~「Visual Studio Code」2020年7月更新

ただし、プレビュー扱い。Java開発ではソースコードの閲覧に適した軽量モード

「Visual Studio Code」v1.48

 米Microsoftは8月13日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2020年7月アップデート(v1.48)を正式リリースした。本バージョンの目玉は、設定の同期がサポートされたこと。まだプレビュー版という扱いだが、わざわざサードパーティー製の拡張機能を導入しなくても、複数の「Visual Studio Code」をわずか数ステップで共通化できる。

 「Visual Studio Code」の設定同期機能は、画面左下の設定メニュー(歯車アイコン)から有効化可能。プレビュー機能であることに注意を促すダイアログで[オンにする]ボタンを押すとコマンドパレットが開き、同期する内容を選択できるようになる。現在のとこと、「Visual Studio Code」の設定ファイルに加え、キーボードショートカット(プラットフォームごとに独立して保存)、ユーザースニペット、拡張機能、UIのカスタマイズが同期可能だ。

「Visual Studio Code」の設定同期機能は、画面左下の設定メニューから有効化
プレビュー機能であることに注意を促すダイアログで[オンにする]ボタンを押す
コマンドパレットが開き、同期する内容を選択できるように

 設定の同期はクラウド経由で行われる仕組みで、“GitHub”のアカウントまたは“Microsoft アカウント”が必要だ。同期処理の詳細を知りたい場合は、“Settings Sync”のサイドパネルや出力ウィンドウが便利。コマンドパレットで“> sync”などと入力すれば、アクセスするためのコマンドがリストアップされる。

“GitHub”のアカウントまたは“Microsoft アカウント”が必要
同期処理の詳細を知りたい場合は、“Settings Sync”のサイドパネルや出力ウィンドウが便利

 なお、プレビュー版「Visual Studio Code Insider」と安定版「Visual Studio Code」の設定は独立して管理されている。すでにプレビュー版で設定の同期を利用していて、安定版とも同期させたい場合は、プレビュー版のコマンドパレットで同期サービスの切り替えとマージ処理を行う必要がある。

 そのほかにも、リリース候補版「TypeScript 4.0」をサポート(Nightly版の拡張機能が必要)。拡張機能の表示メニューや「Git」ビューのサブメニューがアップデートされた。16進エディターではコピーと貼り付け、ファイルの監視、検索と置換などがサポートされた。

 また、Java開発では標準モードとは別に軽量(Lightweight)モードを追加。インポートされた依存性の解決などを省き、言語サーバーの処理をソースとJDKのみに絞ることで、起動と応答性が高速化されており、ソースコードの閲覧などに適する。Python開発では複数のインタラクティブウィンドウを開けるようになったほか、新しい言語サーバー「Pylance」のサポートが進められている。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることも可能だ。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.48(20/08/13)