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Flashに依存するUI・機能は削除 ~「Adobe Acrobat/Reader」の定例アップデート

対処された脆弱性はCVE番号ベースで14件。最大深刻度は“Critical”

「Adobe Acrobat Reader DC」v2020.013.20064

 米Adobe Systemsは10月3日(現地時間)、「Adobe Acrobat」および「Adobe Acrobat Reader」の最新バージョンを発表した。新機能の追加やセキュリティ問題への対策を施した四半期に1回の定例アップデートとなっている。

 「Adobe Acrobat DC」の2010年11月リリースでは「Adobe Flash Player」が廃止され、PDFフォームへの返答ファイルを管理するユーザーインターフェイスなど、「Flash」に依存していた部分が新しいものへと置き換えられた。「Word」および「PowerPoint」の「PDFMaker」に用意されていた「Flash」の埋め込み・挿入オプションも削除されている。「Flash」コンテンツを含むOfficeドキュメントを「PDFMaker」でPDF文書に変換しようとすると、代わりに画像が追加されるとのこと。

「Flash」に依存していた機能は削除。「Word」および「PowerPoint」の「PDFMaker」に用意されていた「Flash」の埋め込み・挿入オプションも廃止される

 そのほかにも、コアインフラストラクチャーの最適化により起動時間が大幅に縮小。Windows版ではI/O処理の非同期化により、ネットワーク上の大きなPDFファイルを開くときの待ち時間が削減された。macOSではダイアログが改善されたほか、アクセシビリティの強化も図られている。

 なお、今回のアップデートで対処された脆弱性はCVE番号ベースで14件。最大深刻度は“Critical”で、同社はセキュリティアップデートの適用優先度をすべての製品で“2”と定め、30日程度以内を目安に以下の最新版へのアップデートを推奨している。

  • 「Acrobat DC」(Continuous)v2020.013.20064(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Continuous)v2020.013.20064(Windows/Mac)
  • 「Acrobat 2020」(Classic 2020)v2020.001.30010(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader 2020」(Classic 2020)v2020.001.30010(Windows/Mac)
  • 「Acrobat 2017」(Classic 2017)v2017.011.30180(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC 2017」(Classic 2017)v2017.011.30180(Windows/Mac)

 「Acrobat DC」および「Acrobat Reader DC」はWindows/Macに対応しており、同社のWebサイトからダウンロード可能。すでにインストール済みの場合は、自動アップデート機能で最新版へ更新できる。