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Apple、「macOS Big Sur」を正式リリース ~「Mac OS X」以来最大のアップデート
ブラッシュアップされたデザインに新しい「Safari」。Appleの新CPU“M1”搭載デバイスにも対応
2020年11月13日 10:44
米Appleは11月12日(現地時間)、「macOS Big Sur」を正式リリースした。「macOS Big Sur(11.0)」は、同社のデスクトップ・ラップトップ向けOS「macOS」の最新版。今年6月に開催された開発者向けイベント“WWDC20”で初めてお披露目され、3カ月以上にわたりベータテストが行われていた。
「macOS Big Sur」は“「Mac OS X」以来最大”を謳う大規模なアップグレードとなっており、バージョンもv10.xからv11.xへとジャンプアップした。
まず目につくのはデザインが刷新されていることだろう。ウィンドウ角の曲がり具合からカラーパレット、マテリアルにいたるまで、さまざまなところに手が入っている。DockのアイコンはMacらしさを残しつつ、iPhone/iPadとの調和も考えられており、Appleエコシステム全体との統一が図られた。ボタンやコントロールは必要なときだけ表示され、必要のないときは隠されるようになっており、視覚的な複雑さを低減して重要なコンテンツにフォーカスできるように設計されているという。
コントロールセンターも新しくなっており、メニューバーから手軽にアクセスできるようになっている。通知センターにはウィジェットも表示可能で、必要な情報が必要なときに得られる。
Webブラウザー「Safari」も、初回リリース以来という大きなアップデートになっている。タブのクイックプレビューや組み込みの翻訳機能、パーソナライズ可能なスタートページなどが追加されて機能性がアップしたほか、4K HDRの“YouTube”や“Netflix”の視聴がサポートされた。パフォーマンス面でのテコ入れも行われており、頻繁にアクセスするサイトであれば、「Google Chrome」よりも平均で50%速く読み込めるという。以前から注力しているプライバシー保護も強化され、保護策がどのように機能しているかをわかりやすく表示するプライバシーレポート機能が追加された。
そのほかにもメッセージ機能、マップアプリなどが強化された。Appleの新しいシリコン“M1”搭載デバイスにも対応し、プリインストールされる。また、Intel CPU搭載デバイスから“M1”デバイスへの移行を支援するための仕組みも用意される。たとえば、開発者は「Xcode 12」で既存のMacアプリケーションをM1/Intel両対応の“Universal 2”アプリケーションバイナリにアップデート可能。もし“M1”に対応できていないアプリがあっても、“Rosetta 2”で既存のIntelアプリを“M1”デバイスでシームレスに動かせる。
「macOS Big Sur」は2013年以降に発売されたMacBook Pro/AirやMac Pro、2015年以降に発売されたMacBook、2014年以降に発売されたiMac/Mac mini、2017年モデルのiMac Proで利用可能。現在[システム環境設定]ダイアログの[ソフトウェア・アップデート]セクションから無償でアップグレードできる。