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「Firefox 84」がApple Silicon(M1)に対応 ~「Flash Player」のサポートはこれが最後
「Rosetta 2」トランスレーションよりも2倍のレスポンス
2020年12月16日 10:00
Mozillaは12月15日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版「Firefox 84」を正式公開した。今回のアップデートでは、“Apple Silicon(M1)”を搭載したAppleデバイスにネイティブ対応。「Rosetta 2」トランスレーションで動作していた「Firefox 83」に比べ、“Speedometer 2.0”テストで起動が2.5倍、Webアプリのレスポンスで2倍のパフォーマンス向上を果たした。
Mac版「Firefox」はUniversal Binaryになっており、Intel CPU向けとM1 CPU向けが同じパッケージになっている。M1デバイスで旧バージョンからアップデートする場合は、メニューバーからいったん「Firefox」を完全に終了し、再起動するとM1 CPU向けのバイナリに切り替わる。「Firefox」がM1ネイティブで動作しているかどうかは、“about:support”ページで“Rosetta Translated”が“false”になっているかどうかでチェックできる。
そのほかにも、新しいレンダリングエンジン“WebRender”が「macOS Big Sur」と第6世代のIntel GPU搭載のWindowsデバイス、Windows 7/8を実行しているIntelラップトップにロールアウトされた。Linux/GNOME/X11ユーザーにも展開が開始されるようだ。Linuxでは共有メモリの割り当て処理をアップデートすることで、「Docker」との互換性も向上しているという。
一方で、「Adobe Flash」のサポートは本バージョンが最後となる。2021年1月12日以降、Flashプラグインはコンテンツを読み込めなくなるので注意したい。再有効化のためのオプションは用意されない。
なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。件数はCVE番号ベースで14件。深刻度の内訳はMozillaの基準で最高の“Critical”が1件、上から2番目の“High”が6件、上から3番目の“Moderate”が4件、最低の“Low”が3件となっている。できるだけ早いアップデートが望ましい。
デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでに利用している場合は自動で更新されるが、画面右上のメインメニュー(横3本線アイコン)から[ヘルプ]-[Firefox について]へアクセスし、バージョン情報ダイアログを開いて手動でアップデートしてもよい。