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Microsoft、アイデアノートアプリ「Journal」をリリース ~“Microsoft Garage”制作

「OneNote」とはまた異なる、インクファーストの新しいデジタルノート体験

「Journal, a Microsoft Garage project」v1.21040.1271.0

 米Microsoftは2月17日(現地時間)、デジタルペンを活用したアイデアノートアプリ「Journal」を“Microsoft Garage”からリリースした。Windows 10に対応するフリーソフトで、現在“Microsoft Store”からダウンロードできる。

 “Microsoft Garage”は自由な発想のもと、従業員がそのアイデアを具体化するのをサポートするMicrosoftの社内プロジェクトだ。有名な成果としてはキーボード・マウス共有ソフト「Mouse Without Borders」音声入力を行うOfficeアドイン「Dictate」「PowerPoint」のプレゼンを通訳・翻訳する「Presentation Translator」などがあり、先進技術を盛り込んだ実験的なツールや、同社の巨大製品群では手の届かないニッチな需要を満たすアプリが多い。

 今回リリースされた「Journal」も、そうしたソリューションの1つだ。一見すると何の変哲もないデジタルノートアプリだが、応用科学グループにより研究されていたという野心的な機能が多く盛り込まれている。

「Journal」のホーム画面。ジャーナルがノートブックに相当する

 たとえば、“ページ”に書いた手書きテキストへ下線を引いたり、横に星(☆)マークを書いた部分は、自動でマーキングされる。複数の行の先頭に点をつければリストと認識されるし、イラストを書けば図として識別される。

 こうしてマーキングや認識されたオブジェクトは“カード”と分類され、サイドパネルにリストアップされる。カードはカテゴリーごとにフィルタリングが可能で、手書きによるキーワード検索も行える。

キャンバスは“ページ”単位で管理
手書きテキストへ下線を引いたり、横に星を書いたりするとそれが見出しやお気に入りの個所としてマーキングされ、左側にアイコンが表示される(カード)。サイドパネルで一覧することも
カードを種類ごとにフィルタリング
手書きで検索

 デジタルノートアプリといえば無限スクロールするキャンバスのものが多いが、「Journal」は紙のノートのようにキャンバスを“ページ”単位で管理するのでわかりやすい。マーキングされた部分が自動で“カード”になるのも、ノートから抜き書きして暗記カードを作成するメタファーだと考えると自然だ。

 また、インクの編集も紙に書く時のような自然なジェスチャーで行える。インクを削除するときも、ペンで消したいところを塗りつぶすだけだ。ペンで丸く囲えばインクが選択され、自由に移動させられる。「Journal」には基本的にモードの切り替えがなく、すべてがペンファーストで行えるようになっている。

 さらに、「Microsoft 365」サブスクリプションを購入しているならば、職場および学校の予定表と統合したり、会議のメモをとったり、“@メンション”でチームメンバーに参照してもらうこともできる。

 「Journal」はまだ開発初期の段階だが、「OneNote」とはまた異なるデジタルノートの方向性が感じられる。今後の改善が楽しみなアプリといえるだろう。

ソフトウェア情報

「Journal, a Microsoft Garage project」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.21040.1271.0(21/02/17)