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Microsofがプレビュー版Windows 10でテスト ~ゲームの画質をSDRからHDRへ自動アップグレード

Xbox Series X/Sで導入されたAuto HDRがPCでもプレビュー

「Gears 5」でSDR、Auto HDR、ネイティブHDRを比較したヒートマップ。虹色の部分がHDR対応ディスプレイでのみ表現できている部分だ

 米Microsoftは3月17日(現地時間)、ゲームの画質をSDRからHDRへ自動的にアップグレードする“Auto HDR”機能を「Windows 10」に追加したと発表した。同日付けで“Windows Insider Program”の“Dev”チャネルでリリースされている「Windows 10」Build 21337で一足先に体験できる。

 HDR(ハイダイナミックレンジ)は従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べ、明暗の幅をより広く表現する。ゲームにおいては今まで白飛び・黒潰れしていたところがより自然でリアルな描写となり、オブジェクトの質感が高まる、立体感が増すといった効果が得られる。これまでにない臨場感が得られるわけだ。

 しかし、すべてのゲームがHDRを前提に開発されているわけではないし、既存のSDRゲームすべてにHDRへのアップグレードを期待することはできないだろう。そこで、昨年11月に発売された家庭用ゲーム機“Xbox Series X/S”に導入されたのが、Auto HDR機能だ。

 Auto HDRは色や明るさの範囲をインテリジェントに拡張し、ゲームをHDRに対応させる。同社によると、1,000以上のDirectX 11/12タイトルで有効であるという。やるべきことは、オプションのトグルスイッチをONに切り替えることだけだ(上級者はレジストリ編集により画面を分割してSDRとHDRを両方表示するモードの有効化も可能)。Auto HDRの実行には一定のGPUコンピューティングパワーが必要とされるが、ゲームプレイに大きな影響はないという。

「設定」アプリの[システム]-[ディスプレイ]セクションにある“Windows HD Color”欄でHDRのオプションをON。さらにAuto HDRのトグルボタンをONにする

 ただし、PC向けのAuto HDRはまだプレビュー段階にある。たとえば、Auto HDRの対象になるかを判定するロジックは、一部のタイトルでは機能しないかもしれない。また、意図した通り美しく表現されなかったり、パフォーマンスが低下する可能性もある。その場合は、積極的に「フィードバック Hub」アプリで報告をしてほしい。