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Microsoft、「DirectX 12 Ultimate」を発表
DXR 1.1、VRSなど4技術から構成。PCとXbox Series Xのグラフィックスプラットフォームを統一
2020年3月23日 15:30
米Microsoftは3月19日(現地時間)、「DirectX 12 Ultimate」を発表した。PCと先日発表された次世代ゲーム機“Xbox Series X”のグラフィックスプラットフォームを統一し、ゲームエコシステム全体の拡大を図る。
「DirectX 12 Ultimate」は以下の4つの技術から成る。下位互換性があるので、「DirectX 12 Ultimate」に対応していれば「DirectX 12」のゲームをプレイすることは可能だ。
- DirectX Raytracing 1.1(DXR 1.1):リアルタイムレイトレーシングを実現するグラフィックスAPIの次期版。MicrosoftとNVIDIAが共同開発
- Variable Rate Shading(VRS):シェーダーのピクセル解像度を状況に応じて変化させることで、見た目に影響を与えず描画を高速化
- Mesh Shaders:Turing世代のNVIDIA製GPUに追加されたシェーダー
- Sampler Feedback:不要な計算を省いてレンダリング負荷を下げる技術の一つ。「Windows 10 バージョン 2004」でサポート
「DirectX 12 Ultimate」の完全な機能セットがPCで利用できるようになるのは、今春の正式リリースが予定されている「Windows 10 バージョン 2004(20H1)」。NVIDIAの“GeForce RTX 20”シリーズが対応ハードウェアになる。AMDも次世代GPUアーキテクチャー“RDNA 2”(“Xbox Series X”と“PlayStation 5”で採用)で「DirectX 12 Ultimate」をフルサポートする。
「DirectX 12 Ultimate」をPCでテストするには、現在のところ“Windows Insider Preview”の“Fast”リングで配信されているプレビュー版Windows 10が必要(「Windows 10 バージョン 2004」が正式リリースされれば、それが利用できる)。「Visual Studio 2019」、最新の「Windows Insider Preview SDK」、対応ハードウェアとグラフィックスドライバー、DirectXデバッガ―「PIX」、そして“GitHub”で公開されている「DirectX 12」のサンプルレポジトリがあれば開発を始めることができる。
ただし、“NVIDIA GeForce 20”の最新ドライバー(v450.56)は今のところDXR 1.0までしかサポートしていない。DXR 1.1対応版は間もなく利用できるようになるとのこと。また、「DirectX 12 Ultimate」をフルサポートした「PIX」は、2020年3月リリース(v2003)を待つ必要がある。