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スクリプト言語「Ruby」にセキュリティ更新 ~「Ruby 2.5」系統は終了

「Ruby 3.0.1」「Ruby 2.7.3」「Ruby 2.6.7」「Ruby 2.5.9」がダウンロード可能

「Ruby 3.0.1」が正式リリース

 スクリプト言語「Ruby」のマイナーアップデートが、4月5日にリリースされた。いくつかの脆弱性が修正されており、「Ruby 3.0.1」「Ruby 2.7.3」「Ruby 2.6.7」「Ruby 2.5.9」への更新が必要だ。

 「Ruby 3.0.1」「Ruby 2.7.3」で修正された脆弱性は、以下の通り。

  • XML round-trip vulnerability in REXML(CVE-2021-28965):「REXML」には細工されたXMLドキュメントをパース・シリアライズするとソースと異なる構造を持つ誤ったXMLドキュメントが生成されることがある。gemをv3.2.5以降へ更新する必要がある
  • Path traversal in Tempfile on Windows(CVE-2021-28966):Windows版「Ruby」にバンドルされている「tmpdir」ライブラリにパストラバーバーサルの問題。意図しないファイルを作成できてしまう可能性がある。以前に修正された問題(CVE-2018-6914)と内容は同じだが、Windows版では不完全だった

 「Ruby 2.6.7」「Ruby 2.5.9」では、「REXML」の問題(CVE-2021-28965)に加え、以下の問題が対処されている。

  • Potential HTTP Request Smuggling Vulnerability in WEBrick(CVE-2020-25613):「WEBrick」におけるHTTPリクエストスマグリングの問題。v1.6.1移行へのgemの更新が必要

 なお、「Ruby 2.5」系統はこのリリースをもってEOLとなる。もし新たな脆弱性が発見されても修正版がリリースされることはないため、すみやかに後継バージョンへ移行する必要がある。

 また、「Ruby 2.6」系統は通常のメンテナンスフェイズは終了し、1年間のセキュリティメンテナンスフェイズに移行した。セキュリティに影響のない不具合は修正されないため、できるだけ早く「Ruby 2.7」「Ruby 3.0」への移行をお勧めする。

 「Ruby」は、まつもとゆきひろ(Matz)氏によって1993年に開発が始められたスクリプト言語。オープンソースで開発が続けられており、Webアプリケーションをはじめ、さまざまな用途・プラットフォームで採用されている。バイナリとソースコードは現在、公式のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows環境では「RubyInstaller for Windows」の利用が推奨されている。「Ruby 3.0.1」に対応したバージョンはまだリリースされていないが、間もなく公開されるものと思われる。