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「Microsoft Edge 90」が安定版に ~新しいダウンロードUIやパスワードモニターを搭載
氏名や住所、電話番号のオートフィル候補も強化。脆弱性の修正も
2021年4月16日 10:46
米Microsoftは4月15日(現地時間)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v90.0.818.39を公開した。「Edge 90」では英語(米国)環境のWindows/Mac版でキッズモード(Kids Mode)が利用できるようになったほか、パスワードモニターがすべてのユーザーに向けて一般提供されている。
キッズモードは、共有PCで子どもたちにWebを閲覧させるときに使える保護されたオンライン環境だ。同社の調査によると、米国の親の約50%が家事や仕事で手を離せないときに子どもたちに自分のデジタルデバイスを渡し、遊ばせているという。こうしたケースで一時的に使えるペアレンタルコントロールソリューションが必要とされているわけだ。
キッズモードは「Edge」の右上隅にあるアカウントプロファイルをクリックし、[Browse in Kids Mode]コマンドを選択するだけで利用可能。そのとき、子どもの年齢範囲(5歳から8歳までと、9歳から12歳まで)を選べる。日本での展開にも期待したい。
一方、パスワードモニター(Password Monitor)はWebサイトのパスワードが漏洩してダークウェブで取引されていることをユーザーに警告を発するものだ。「Google Chrome」や「Firefox」などにも導入されて好評を得ており、「Edge」でも以前から導入が予告されていた。
「Edge」の場合、設定画面の[プロファイル]-[パスワード]セクションへ進むと、[オンライン リークでパスワードが見つかったときにアラートを表示する]というオプションが利用可能。結果表示の画面(edge://settings/passwords/passwordMonitor)に進むと、「Edge」に保存されたパスワードをスキャンして、漏洩が確認されているパスワードと一致がないかを確かめられる。もし漏洩アラートが表示されたり、パスワードの一致が確認されたら、すぐさまパスワードを新しいものに更新することをお勧めする。
そのほかにも、ポップアップスタイルの新しい[ダウンロード]UIが利用できるようになった。[設定など](“…”アイコン)-[ダウンロード]メニューなどから利用可能で、ツールバーからダウンロードの進捗をポップアップで確認したり、サイドパネルとしてピン留めしてダウンロード状況を一覧することができる。
また、オートフィル候補も強化。Webフォームをクリックすると、クリップボードにコピーされている内容も自動補完の入力候補として表示できるようになったほか、フォームやフィールドが検出されない場合でも、“//”と入力することで自動入力候補を検索できるようになった。この検索機能は、入力フィールドが氏名や住所、電話番号のフィールドだと認識されず、オートフィルが効かない場面でも使えるので便利だ。
さらに、フォントレンダリングも改善されており、ボケを減らして視認性の高い描画を行うように改善されたとのこと。
企業向けの改善としては、シングルサインオン(SSO)がAzure Active Directory(AAD)のアカウントとmacOSのMicrosoft アカウント(MSA)で利用できるようになったことなどが挙げられる。キオスクモードではUIの印刷設定をロックダウンし、あらかじめ設定されたプリンターとPDF印刷オプションのみを許可するようになったほか、Webブラウザーからほかのアプリケーションの起動を制限するよう改善された。PostScript非対応プリンター向けの新しい印刷ラスタライズモードや印刷時のページスケーリングオプションも追加されている。
セキュリティ関連の修正は、CVE番号ベースで19件。内容は「Google Chrome」の最新安定版v90.0.4430.72で対処されたものと同じで、最大深刻度は“High”。「Edge」では前日にも2件のゼロデイ脆弱性が解決されているので、忘れずにアップデートしておきたい。
「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」はWindows/Macに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに新しい「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。
なお、「EdgeHTML」ベースの古い「Edge」はMicrosoft、2021年4月の月例セキュリティアップデートで廃止され(一部Windows 10バージョンを除く)、「Chromium」ベースへと一本化された。今後は利用できなくなるので注意したい。