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「Google Chrome 90」が正式公開 ~AV1エンコーダーを追加。アドレスバーのURLはHTTPS扱いに

前日に引き続き37件の脆弱性を修正

「Google Chrome」v90.0.4430.72

 米Googleは4月14日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定版v90.0.4430.72を公開した。「Chrome 90」ではビデオ会議向けに最適化されたAV1エンコーダーがWebRTCで利用可能になったほか、アドレスバーに入力したURLはデフォルトでHTTPS接続扱いになった。“example.com”と入力した場合、かつての「Chrome」では自動で“http://”が補われて“http://example.com”に接続されたが、本バージョンからは“https://example.com”に接続される。

 また、開発者向けの機能としてCSS overflowプロパティに新しい値が追加された。ボックスからテキストがはみ出す(オーバーフロー)のを抑制する方法として従来は“overflow: hidden”などが用いられてきたが、「Chrome 90」では“overflow: clip”が利用できる。“overflow-clip-margin: 25px”などとすれば、クリップ領域の調整も可能だ。

“overflow-clip-margin: 25px”などとすれば、クリップ領域の調整も可能

 そのほかにも、「Chrome 74」から導入されている“Feature-Policy”が“Permissions-Policy”に改められた。Web Components標準の一部であるShadow DOMも拡張され、宣言的に利用できるようになった。コードで動的にShadow DOMを組み立てるのではなく、templateタグを用いてHTMLのように定義できる。

コードで動的にShadow DOMを組み立てる
HTMLのようにShadow DOMを宣言的に定義

 なお、本バージョンおける脆弱性の修正は全部で37件。このうちCVE番号が公表されているのは19件で、深刻度の内訳は“High”が6件、“Medium”が10件、“Low”が3件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 「Chrome」ではこの前日にも2件のゼロデイ脆弱性が修正されている。忘れずにアップデートしておきたい。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応する。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)から手動でアップデートすることもできる。