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「Google Chrome 90」はWebRTCでAV1エンコーダーが利用可能に ~ベータ版が公開

JavaScriptエンジン「V8」はv9.0へアップグレード。CSS関連の改善も多数

「Google Chrome 90」がベータ版に。デスクトップ版のWebRTCでAV1エンコーダーが利用可能

 米Googleは3月11日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 90」のベータ版に追加された新機能を発表した。「Chrome 90」の目玉は、デスクトップ版でWebRTCを利用する際にAV1エンコーダーが利用できるようになったことだ。

 「AOMedia Video 1(AV1)」は、非営利団体“Alliance for Open Media”によって開発されているオープンかつロイヤリティフリーな動画圧縮コーデック。他のビデオエンコーディングに比べて圧縮効率が高いため、帯域幅の消費を抑えつつ画質を向上させられるのが特徴だ。30kbps以下といった低帯域幅のネットワーク環境下でもビデオを流すこともでき、Webベースのオンラインミーティングへの活用が期待される。

 そのほかにも、トラッキング広告とプライバシーの両立を図る機能“Privacy Sandbox”をユーザー側でコントロールするためのインターフェイスの導入が予定されている(編集部にて確認したところ、まだ利用できないようだ)。

 また、JavaScriptエンジン「V8」がv9.0へアップグレードされ、負数のインデックスが利用できるようになる。CSS関連では“aspect-ratio”や“overflow: clip”、“overflow-clip-margin”などがサポートされるほか、“source”要素で“width”と“height”プロパティが利用可能。また、以下の機能が“Origin Trials”としてテストされる。

  • getCurrentBrowsingContextMedia():現在のタブを動画・音声キャプチャー
  • MediaStreamTrack Insertable Streams (Breakout Box):WebRTCで背景の除去や音声エフェクトなどを実現
  • WebAssembly Exception Handling:WebAssemblyで例外処理

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。