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ほぼ完成版の「Windows 11」がBeta公開 ~Dev版はBuild 22000→22449、新機能の実験を加速

Dev版ではSMB圧縮の動作変更がテストされる

「Windows 11 Insider Preview」Build 22449がWindows Insider Program Devチャネルで提供開始

 米Microsoftは9月2日(現地時間)、新しい「Windows 11 Insider Preview」ビルドを公開した。これまではDev/Betaチャネルともに「Build 22000」が提供されていたが、今回のフライトではDevチャネルのみ、ビルドナンバーが「22449」に変更された。早くも次期バージョンに向け、Dev版ではこれまで以上にアグレッシブな新機能の実験が行われることになる。

デスクトップ右下の透かしも復活

Devチャネル(Build 22449)

 Devチャネルは、アクティブな開発ブランチ(RS_PRERELEASE)から最新のビルドを受け取る。新しい機能をいち早く試したい場合には向いているが、十分な安定性が確保されているとは限らず、ときに重要な機能が利用できなくなったり、回避策を必要とする問題が発生する可能性がある。起動できなくなったPCを自力で復旧できないユーザーや、業務やプライベートで日常的に利用しているデバイスにはおすすめできないので注意したい。代わりにBetaチャネルの利用をお勧めする。

 また、Devチャネルで配信されるビルドは次期バージョンのWindows ではない 。OSのバージョン情報ダイアログ(winver)でも、「バージョン 21H2」ではなく「バージョン Dev」と記載されている。

OSのバージョン情報ダイアログ。「バージョン 21H2」ではなく「バージョン Dev」と記載されている

 そのため、導入される機能はあくまでも試験的なもので、テストの結果、製品版には含まれないこともある。次期バージョンのWindowsをテストしたい場合は、BetaチャネルやRelease Previewチャネルを利用するとよいだろう。

 今回リリースされたBuild 22449では、「SMB Compression」(SMB 圧縮)の動作変更が行われた。

 同社によると、従来の「SMB Compression」は転送ファイルの最初524,288,000バイト(500MiB)を圧縮しようと試み、少なくとも104,857,600バイト(100MiB)が圧縮されたかどうかをチェックする仕組みで、圧縮可能なバイト数が100MiBに満たない場合、「SMB Compression」はファイルの残り部分の圧縮を停止していた。つまり、圧縮されるのは非常に大きなファイルだけだ。

 新ビルドでは、テストや分析の結果、この判断アルゴリズムは既定で利用されなくなった。代わりに「SMB Compression」は圧縮が要求されると、常に圧縮を試みる。CPUの利用率は若干増えるが、ネットワーク帯域幅は節約できる。

 なお、この動作は元に戻すことも可能だ。

 そのほかにも、OS起動時の進捗リングアニメーションが更新されるなど、さまざまな変更と改善が行われた。注意点として、セキュリティ機能「Windows Defender Application Guard」(WDAG)が有効になっている環境では、本ビルドを受け取ることができない。これはWDAGがバグチェック(デバッグを目的としたブルースクリーンエラー)を発生させるためで、これは次のフライトで修正されるという。

Betaチャネル(Build 22000.176)

 一方、BetaチャネルはDevチャネルである程度テストされ、安定した機能が導入される。同日付けで商用プレビューが開始(Release Previewチャネル)されたビルドとナンバリングは同じで、製品版の一歩手前というべきものだ。

 そのため、変更点は不具合の修正と安定性の向上が主となっている。改善点としては、タスクバーの右クリックメニューからパーソナライズ設定の画面にアクセスできるようになった点が挙げられている。タスクバーに表示されるシステム項目(検索、タスク ビュー、ウィジェット、チャット)のON/OFFや、タスクトレイ(コーナーアイコン)に表示する項目を手軽に切り替えられる。

タスクバーの右クリックメニューからパーソナライズ設定の画面にアクセスできるように

 また、前ビルドでDevチャネルに導入されていた「ストア」アプリ(Microsoft Store)の改善がBetaチャネルにも提供されているとのこと。