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次期「WSL」がMicrosoft Storeでプレビュー提供開始 ~OSと切り離され、単体アプリに
「WSLg」を同梱。Linuxディスクをマウントする「wsl.exe --mount」などに対応
2021年10月12日 10:15
米Microsoftは10月11日(現地時間)、「Windows Subsystem for Linux」(WSL)のプレビュー版を「Microsoft Store」(aka.ms/wslstorepage)でリリースしたと発表した。WSLをOSから切り離し、ゆくゆくは「ストア」アプリでの提供へ全面移行したい考えだ。
現在のWSLは、Windowsのオプションコンポーネントとして提供されている(インボックス版)。有効にするには[Windowsの機能の有効化または無効化]ダイアログでオプションを有効化し、PCを再起動する必要があるが、これはOSイメージに含まれている機能をアクティブにする処理を行っているためだ。
次期バージョンのWSL(ストア版)ではこれが改められ、「ストア」アプリで提供される単体のアプリケーションとなる。特定のWindowsバージョンからは切り離されるため、わざわざOSをアップグレードしなくても、最新の機能が「ストア」アプリを経由したアップデートで利用できるようになる。
今回リリースされたプレビュー版では、以下の機能がサポートされる。
- Linux GUIアプリを動かす「WSLg」をWSLアプリの一部としてバンドル
- 新しい「wsl.exe --mount」コマンドでLinuxディスクをマウント
- Linuxカーネルをv5.10.60.1へ更新
- WSLの変換処理中であることを示すプログレスインジケーターを表示するヘルパー関数
- 「wsl --install」で「--distribution」引数が不要に
- バージョン情報を表示する「wsl.exe --version」コマンド
インストール要件は、Windows 11(Build 22000)以降。あらかじめ[Windowsの機能の有効化または無効化]ダイアログで「仮想マシン プラットフォーム」を有効化する必要がある。管理者権限のある「PowerShell」プロンプトで以下のコマンドを実行しておくとよい。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all
なお、プレビュー(ストア)版WSLは現行のインボックス版WSLと同じシステムに同居させることが可能。「WSL 2」だけでなく「WSL 1」もサポートされる。ただし、実行の際はストア版が優先される。インボックス版を利用したい場合は、ストア版をアンインストールしなければならないので注意したい。