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Windows 11とレジストリに非ASCII文字を利用するアプリに非互換問題 ~BSoDが発生

地方公共団体情報システム機構の「JPKI利用者ソフト」などにも影響か

Microsoftのサポートページ

 米Microsoftは10月8日(現地時間)、レジストリキーまたはサブキーに一部の非ASCII文字を使用しているアプリと「Windows 11」の間に互換性の問題が発見されたことを明らかにした。この問題の影響を受けるアプリは起動できなかったり、ブルースクリーン(BSoD)エラーをはじめとするさまざまなトラブルを引き起こすことがあるという。非ASCII文字を含む影響を受けたレジストリキーは修復できない可能性があるとのことで、警戒が必要だ。

 この現象はWindows 11のリリース当初、ベトナムのWebブラウザー「Cốc Cốc」(コック・コック)との間の互換性問題と認識されていたが、その後、ポルトガルの市民カードアプリ「Aplicação Autenticação.gov」でも同様の問題が見つかり、レジストリで非ASCII文字が使われていることが原因であることが判明したようだ。この2つのアプリがインストールされた環境には、アップグレードの提供を一時停止するセーフガード措置が取られており、手動でのアップグレードも避けるように案内されている。

 なお、具体的にどの文字が問題となっているのかは明らかではない。

 気になるのは日本語環境への影響だが、アプリケーションがレジストリに非ASCII文字を用いている例としては、「公的個人認証サービス 利用者クライアントソフト」(JPKI利用者ソフト)などがあるようだ。試しに編集部で「JPKI利用者ソフト」をインストールしてみたところ、セットアップ処理が完了せず、インストーラーが途中で応答不能になってしまうことを確認した。これが今回の問題に関係しているかは定かでないが、業務や各種手続きへの影響が大きいアプリを利用する場合は、Windows 11への対応を謳っているか、動作確認が取れているかを入念に事前確認しておきたい(Windows版「JPKI利用者ソフト」の対応OSはWindows 8.1/10で、Windows 11での動作は保証されていない)。

Windows版「JPKI利用者ソフト」をWindows 11にインストールした様子。セットアップが途中から進まなくなった

 Microsoftは現在、原因を調査中。詳しい情報が入り次第知らせるとしている。