やじうまの杜

「Windows 11」の不具合まとめ【12月28日更新】

特定環境下で正しく色が表示されない問題を追加

 “やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

「Windows release health」ページ

 「Windows 11」が正式リリースされ、無償アップデートの提供が順次始まります。最近の「Windows 10」は比較的小規模な「機能アップデート」(年2回実施)が続いたため、大きなトラブルはあまりなかったのですが、「Windows 10」から「Windows 11」へのアップデートともなるとそうはいかないでしょう。今回はいつもより少しだけ用心した方がよいと思います。

[2021年12月28日更新] 1件の問題を追加

リリース時に確認されている既知の問題は3件

 「Windows 11」の初期バージョンである「バージョン 21H2」で把握済みの問題は、リリース時現在、3件です。「Windows release health」ページにまとめられているので、アップグレードを考えている方は事前に確認されることをお勧めします。

「VirtualBox」と「Windows 11」との互換性問題

 「Hyper-V」または「Windows Hypervisor」がインストールされている場合、Windows 11環境で「Oracle VM VirtualBox」の仮想マシン(VM)を起動できなかったり、エラーが発生することがあります。

「Oracle VM VirtualBox」のWebサイト

 対象環境では互換性維持のためのセーフガードが適用されており、Windows 11のアップグレードは配信されません。[今すぐ更新]ボタンや「メディア作成ツール」を使用した手動アップグレードは推奨されないので注意してください。

 この問題を解決する「Oracle VM VirtualBox」のアップデートは、10月中にもOracleから提供される予定ですが、それを待てない場合は「Hyper-V」または「Windows Hypervisor」を削除するか、「Oracle VM VirtualBox」をアンインストールする必要があります。

Intel「Killer」ネットワークソフトウェアとの互換性問題【10月12日解決】

 Intel製のゲーマー向けネットワークコントローラー「Killer」の一部はWindows 11と互換性がなく、特定の条件下でUDPパケットをドロップすることがあります。UDPベースのプロトコルでパフォーマンスが低下するなどの影響が出る可能性があり、一部のWebサイトの読み込みが遅くなったり、特定の解像度で動画のストリーミングが遅くなったり、VPNソリューションの一部で速度が低下します。

Intel製のゲーマー向けネットワークコントローラー「Killer」

 Microsoftは現在解決策を検討中で、10月のセキュリティ更新プログラム(2021年10月12日)で修正プログラムをリリースしたいとしています。

[2021年10月15日追記] 本問題は10月のBリリース「KB5006674」で修正されました。

「Cốc Cốc」などレジストリに非ASCII文字を利用するアプリに非互換問題【10月15日更新】

 ベトナムのWebブラウザー「Cốc Cốc」(コック・コック)はWindows 11との間に非互換性問題を抱えており、ブラウザーが開けなくなるなどの問題が発生することがあります。

ベトナムのWebブラウザー「Cốc Cốc」(コック・コック)

 対象環境では互換性維持のためのセーフガードが適用されており、Windows 11のアップグレードは配信されません。Microsoftは[今すぐ更新]ボタンや「メディア作成ツール」を使用した手動アップグレードを行わないよう呼び掛けています。

【2021年10月15日追記】 米Microsoftは10月8日(現地時間)、本問題はレジストリキーまたはサブキーに一部の非ASCII文字を使用しているアプリと「Windows 11」の間に発生する互換性問題が原因だと発表しました。この問題の影響を受けるアプリは起動できなかったり、ブルースクリーン(BSoD)エラーをはじめとするさまざまなトラブルを引き起こすことがあるとのことです。

 「Cốc Cốc」のほかにも、ポルトガルの市民カードアプリ「Aplicação Autenticação.gov」でも同様の問題が発生しているといいます。また、日本語環境では「公的個人認証サービス 利用者クライアントソフト」(JPKI利用者ソフト)などに影響が出ている模様です。

リリース後に発表された問題

【解決】AMD「Ryzen」搭載システムで特定アプリを実行するとパフォーマンスに問題【11月16日更新】

 AMDの「Ryzen」CPUを搭載したシステムで特定のアプリケーションを実行した場合に、Windows 11のパフォーマンスにばらつきが生じることが公表されました。

 Windows 11環境下ではL3キャッシュの遅延(レイテンシ)が大幅に増加してしまうことがあり、とくにメモリサブシステムのアクセス時間でパフォーマンスが左右されやすいアプリケーションに影響が出ているようです。パフォーマンス低下は3%~5%になると見積もられていますが、eSportsによく使用されるゲームでは10~15%に達することもあるとのことです。この問題は2021年10月に提供予定のWindowsアップデートで解決される見込みとなっています。

[2021年10月25日追記] 本問題は、2021年10月のプレビュー更新プログラム「KB5006746」で解決可能。「KB5006746」は、11月第2週に予定されている月例のセキュリティアップデートに含まれる予定です。

[2021年11月16日追記] 本問題は、11月の月例のセキュリティアップデートで解決しました。

【解決】AMD「Ryzen」搭載システムで最速コアにスレッドを優先的に割り当てない問題【10月25日更新】

 AMDの「Ryzen」CPUを搭載したシステムで特定、電源制御機能「UEFI CPPC2」のスケジューリング機能に問題が発見され、プロセッサーの最速コアにスレッドを優先的に割り当てない問題が確認されています。

 この問題は、シングルスレッドもしくは少数のCPUスレッドのパフォーマンスに依存するアプリケーションに影響するとのことです。とくに、TDP65W以上で8コア以上のプロセッサーでパフォーマンスが顕著に低下する可能性があります。この問題に対処するためのソフトウェアアップデートは現在開発中で、2021年10月中に提供を開始される予定です。

[2021年10月25日追記] 本問題は「AMD Chipset Driver」v3.10.08.506をインストールし、CPUのアーキテクチャーにより以下の操作をすることで解決します。

  • 「Zen+」または「Zen 2」アーキテクチャー:OSの電源プランを「AMD Ryzen Balanced」に設定
  • 「Zen 3」アーキテクチャー:「Windows 11 Provisioning Packages」インターフェイスの「AMD.Power.Processor.Settings」エントリのバージョンが「7.0.3.5」になっていることを確認

【一部解決】印刷にかかわる3件の問題【11月16日更新】

 米Microsoftは10月13日(現地時間)、Windows 11で発生するプリンターの接続に関わる既知の問題を3件発表しました。発表された問題は以下の通りです。

  • カスタム印刷のプロパティがプリントサーバーのクライアントに正しく提供されないことがある(Windows 7 SP1/Windows Server 2008 SP2以降に影響)
  • IPPプロトコルを使用したプリンターのインストールが正常に完了しない場合がある(Windows 10 バージョン 1909以降に影響)
  • 一部のネットワーク接続でプリンターのインストールに失敗することがある(Windows 7 SP1/Windows Server 2008 SP2以降に影響)

 3件共に、一般に家庭用機器には用いられないプリンター接続方式に起因しており、ホームユーザーへの影響は限定的とみられていますが、企業や組織では注意が必要です。

 なお、「Windows 10 バージョン 21H1」などのバージョンに関しては、すでに一部問題が解決されているとのことです。

[2021年10月25日追記] 本問題は、2021年10月のプレビュー更新プログラム「KB5006746」で解決可能。「KB5006746」は、11月第2週に予定されている月例のセキュリティアップデートに含まれる予定。

[2021年11月16日追記] 本問題のうち、カスタム印刷のプロパティに関する問題と、IPPプロトコルを使用したプリンターのインストールに関する問題は、11月の月例のセキュリティアップデートで解決しました。

【解決】特定条件下で印刷時に毎回管理者権限を要求するメッセージが表示される問題【11月16日更新】

 米Microsoftから10月15日(現地時間)、Windowsの印刷機能に新たな問題が確認されたとの発表がありました。印刷時に毎回管理者権限を要求するメッセージが表示されるとのことです。

 この問題は、2021年9月のセキュリティ更新プログラム以降を適用し、かつプリントサーバーとプリントクライアントのタイムゾーンが異なる環境で発生します。一般的な家庭で発生することはほぼありませんが、企業や組織には影響が出る可能性があります。

 なお、この問題はWindows 10などWindows 11以外にも影響しています。Microsoftは10月下旬には解決策を提供できる見込みだと述べています。

[2021年10月25日追記] 本問題は、2021年10月のプレビュー更新プログラム「KB5006746」で解決可能です。「KB5006746」は、11月第2週に予定されている月例のセキュリティアップデートに含まれる予定です。

[2021年11月16日追記] 本問題は、11月の月例のセキュリティアップデートで解決しました。

【解決】IMEや「Snipping Tool」などが開けない問題【11月9日更新】

 Windows 11にデフォルトで搭載されているアプリが開けない現象が発生しています。以下のアプリまたはその一部が影響を受ける可能性があります。

  • 「Snipping Tool」アプリ
  • タッチキーボード、音声入力、および絵文字パネル
  • 入力システム(IME)のユーザインタフェイス
  • 「はじめに」アプリと「ヒント」アプリ

 また、Sモードでは[スタート]画面や「設定」アプリが期待通り開かない問題も発生してます。これらの現象は、2021年10月31日に期限切れとなったMicrosoftのデジタル証明書の問題が原因のようです。

 米Microsoftは11月4日、「Windows Insider Program」のBeta/Release Previewチャネルで、この問題を修正する緊急の更新プログラム「KB5008295」をテスト中です。

[2021年11月9日追記] 本問題は、11月5日(米国時間)にリリースされた定例外の更新プログラム「KB5008295」を適用することで、解決します。

「Intel SST」サウンドドライバーの一部に非互換性問題【11月16日追加】

 「Intel Smart Sound Technology」(Intel SST)ドライバーと間にWindows 11に非互換性問題が存在することが公表されました。

 該当するのは「デバイス マネージャー」の[システムデバイス]ツリーに「Intel Smart Sound Technology(Intel SST)Audio Controller」という名前で存在するドライバーです。ファイル名が「IntcAudioBus.sys」で、ファイルバージョンがv10.29.0.5152以前またはv10.30.0.5152以前となっているものが該当します。

 問題を回避するには、デバイスメーカー(OEM)へ問い合わせて、更新されたドライバーを適用する必要があります。なお、v10.29.xとv10.30.xは別系統であり、v10.29.xからv10.30.xへ更新してもv10.30.0.5152以前であれば問題の影響を受けてしまうので注意してください。

 ドライバーをアップデートすればセーフガードは解除され、Windows 11にアップグレードできるようになりますが、それが反映されるには最大で48時間程度かかるとのことです。

特定環境下で正しく色が表示されない問題【12月28日追加】

 Windows 11上で一部の画像編集ソフトにおいて、色が特定のHDRディスプレイで正しく表示されない場合があります。

 この問題は、Win32のカラーレンダリングAPIが特定条件下で予期しない情報を返したり、エラーを返すのが原因とのこと。白色のレンダリングで多く発生しますが、黄色なども正しく表示されないことがあるようです。

 影響するプラットフォームは、「Windows 11 バージョン 21H2」のみで、1月下旬に修正プログラムがリリースされる見込みです。