やじうまの杜

「Windows 10 バージョン 21H1」で確認されている問題まとめ【6月23日更新】

正式リリースにあたり案内された「未解決の問題」2件は解消へ

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Windowsのリリース情報ページ

 「Windows 10 バージョン 21H1」の一般提供が開始されました。これは年に2回実施される大規模な「機能アップデート」で、毎月行われる「品質アップデート」とは異なり、不具合の修正やセキュリティ問題への対処だけでなく、新機能の追加や若干の仕様変更が含まれることがあります。そのため、アップグレードでトラブルが発生することもときどきあります。

 とはいえ、今回の「バージョン 21H1」は、OSのコアは「バージョン 2004」「バージョン 20H2」と同じです。つまり、ここ1年以上は「機能アップデート」といっても比較的小規模な、マイナーバージョンアップにとどまっています。既知の非互換性問題はおおむね解決されており、正式リリースにあたり「未解決の問題」として案内されているのは以下の2件だけです。いずれも比較的軽微な問題で、「バージョン 2004」「バージョン 20H2」と共通の不具合でもあります。「バージョン 21H1」へアップグレードする際の障害にはあまりならないでしょう。

確認されている問題

オーディオに甲高いノイズが混じる【6月23日更新】

 特定のオーディオデバイスやWindows 10の設定を利用している場合に、一部のアプリで5.1チャンネルのドルビーデジタル(Dolby Digital)オーディオを再生する際、甲高いノイズや軋み音が混ざる。

 「KB5000842」(3月のCリリース)以降の更新プログラムをインストールした環境に影響し、現在解決策が検討中。

立体音響のオプションを「5.1」以外にするのが有効

 オーディオをステレオで使用する分には問題はないため、回避策としては立体音響のオプションを「5.1」以外にするのが有効。立体音響のオプションは、タスクトレイのボリュームアイコンを右クリックメニューなどからアクセスできる。問題のあるアプリを避けて、Webブラウザーや他のアプリでストリーミングするのも有効だ。

[6月23日追記]
 米Microsoftは6月21日(現地時間)、本問題を解消するプレビュー更新プログラム「KB5003690」を公開した。問題がなければ7月第2週に予定されている月例更新で提供される。

ふりがなを自動入力するアプリが正常に機能しない

 ふりがなの自動入力が期待通りに機能しないことがあり、氏名や住所を漢字で入力するとそのふりがなを自動で取得し、自動補完するタイプのアプリに影響に影響が出ている。アプリの内部で「ImmGetCompositionString()」APIを利用している開発者は、注意が必要だ。

 回避策として、「Microsoft IME」を一時的に古いバージョンへ戻すのが有効。古い「Microsoft IME」への切り替えは、「設定」アプリから行える。

[6月23日追記]
 米Microsoftは6月21日(現地時間)、本問題を解消するプレビュー更新プログラム「KB5003690」を公開した。問題がなければ7月第2週に予定されている月例更新で提供される。

「Windows Update」で配信されるのを待とう ~非推奨・削除された機能にも注意【6月23日更新】

 Microsoftは「バージョン 21H1」の配信にあたり、ユーザーから寄せられた膨大なフィードバックを機械学習(ML)技術を活用して解析し、トラブルを早期に検出する仕組みを整えています。あるユーザーの環境でトラブルが発生したら、それに似たハードウェア・ソフトウェア構成の環境では、同じトラブルが発生するのを未然に防止するため「バージョン 21H1」の配信が中断されます(セーフガード)。

 そのため、「Windows Update」に「バージョン 21H1」のアップグレード案内は表示されないうちは、無理にアップデートしない方がよいでしょう。配信調整が終わり、広範囲なリリースが開始された「バージョン 20H2」の利用がお勧めです。

 また、「バージョン 21H1」では一部の機能が提供されなくなったり、開発を終了しており後継・代替機能への移行が推奨されている機能(非推奨機能)もあります。アップグレードしてから「しまった!」とならないように、事前にチェックしておくことをお勧めします。