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Microsoft、「Windows 11」の提供範囲を拡大

最新世代の機械学習(ML)モデルを活用

Windows 10のリリースヘルスダッシュボードにおける告知

 米Microsoftは10月27日(現地時間)、「Windows 11」の提供範囲を拡大したと発表した。

 Windows 11は現在、最小システム要件を満たした「Windows 10 バージョン 2004」(9月14日の更新プログラムを適用済み)以降の一部に対し、無償のアップグレードとして提供が開始されている。同社はこのロールアウトプロセスに最新世代の機械学習(ML)モデルを活用しており、問題がないと判断されたデバイスに提供を拡大したい考えだ。

 Windows 11のリリース当初は、AMDのRyzen CPUを搭載したシステムで顕著なパフォーマンス低下が見られたほか、レジストリに非ASCII文字を利用するアプリに非互換問題が発見されていたが、これらは最新のプレビューパッチで解決されている。大きな問題がなければ来月の月例セキュリティアップデートで一般環境にも配信される見込み。様子見をしていたユーザーも、そろそろ試していい頃合いといえるだろう。

 同社は機械学習技術を活用して展開中のWindows 11で報告されている膨大なデータを解析し、アップグレードに関わるトラブルを早期に検出する仕組みを整えている。類似したハードウェア・ソフトウェア構成の環境で、同じトラブルが発生するのを未然に防止するためだ。既知の互換性問題が確認されると、それはすぐさまロールアウトプロセスに反映され、影響する環境にはWindows 11が配信されないようにブロック措置(セーフガード)がとられる。

 同社は最新の機能とデバイスを高度なセキュリティで脅威から保護するため、デバイスをWindows 11 にアップグレードすることをお勧めするとしている。

 なお、アップグレードの対象となった場合も、自動で(勝手に)Windows 11へ更新されてしまうことはないので安心してほしい。「Windows Update」に表示されるアップグレードの案内画面で明示的に[ダウンロードしてインストール]ボタンを押さなければ、Windows 10をそのまま使い続けることができる。