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高機能オンラインホワイトボード「Miro」が日本での展開を本格化

11月17日からWebサイトを日本語化、2022年2月1日からは日本語化した製品を投入

高機能オンラインホワイトボード「Miro」

 コラボレーション用ホワイトボードプラットフォーム「Miro」を提供するミロ・ジャパンが、日本での事業展開を本格化する。2021年11月17日から同社サイトを日本語化、2022年2月1日から日本語化した製品を投入する。

2021年11月17日から同社サイトを日本語化、2022年2月1日から日本語化した製品を投入

 「Miro」は、Fortune100の95%の企業が採用するなど、全世界で11万8,000社、2,500万人が利用しているビジュアルコラボレーションプラットフォーム。デジタル空間上のホワイトボードともいえる場所に、アイデアやイノベーションを視覚的に示すことができ、ワークショップの開催やアイデアのブレインストーミングを通じて、コラボレーションを活性化し、様々なシーンでのパフォーマンス向上を図ることができるのが特徴だ。

「Miro」の歴史と利点

 同社は、2011年に、アンドレイ・クシド(Andrey Khusid)氏とオレグ・シャーディン(Oleg Shardin)氏によって、RealtimeBoardとして創業。2016年にエンタープライズ向け製品を投入。2019年に、Miroにブランド名を変更した。現在、日本を含む11拠点を展開。約1,000人の社員数を擁し、今後6カ月で1,500人以上に拡大するという。

「Miro」の歴史
Miro Chief Revenue OfficerのZhenya Loginov(ゼニヤ・ロギノフ)氏

 Miro Chief Revenue OfficerのZhenya Loginov(ゼニヤ・ロギノフ)氏は、「私たちのミッションは、ベストなコラボレーションソリューションを提供することであり、それによって、お客様が次の新しい大きなことを創造する力を生み出すことである。物理的なホワイトボードや会議室などの制約をなくし、ハイブリッドでも、リモートでも、コラボレーションを可能にするのがMiroである」とした。

 また、「Miroは、世界中でベストなビジュアルコラボレーションを実現すること、MicrosoftやGoogleの製品、「Zoom」など、100を超える業務アプリとの連携が可能であること、操作性が容易であるため問題解決を迅速に行えること、ユーザー間のコミュニティ活動が活発であり、そこで情報共有が行われ、ユーザーが利用しているテンプレートがアップロードされ、それが活用されるといった点が、世界中の利用者から評価されている点である」と述べた。2020年9月から2021年9月の1年間で、顧客数は4万社から11万8,000社へと約3倍に増加。ユーザー数は800万人から2,500万人へと約3.1倍に増加している。「この1年間の成長は桁外れのものであったのは確かだ。ソフトウェア産業の歴史のなかでも最も速く成長した会社のひとつに位置づけられている。この高い水準での成長は今後も続くだろう。95%の企業は、今後も物理的なオフィス環境には戻らず、ハイブリッド環境で働くことになる。そのなかでは、Miroのように、これまでの環境での生産性を維持できるツールが期待されている」などと述べた。

国内の大手企業でも採用

 サウスウエスト航空では、分散した6万人の従業員が効率的なプランニングを行うためにMiroを採用。Dropboxでは、100%のリモートワーク環境を実現するためのコラボレーションツールのひとつとしてMiroを導入。GEデジタルでは、分散した場所にいるチームが、物理的に同じ空間にいるような透明性を持った作業を行えることができたという。国内の事例としては、3つの事例を紹介した。すでに日本では、英語版ながらもTOPIX100企業の50%が採用。3,800社、50万人の利用者がいる。

リモートでのコラボレーションに視覚的な効果が生まれる

 ある国内メッセージアプリ最大手企業では、コロナ禍以前から、多拠点開発でのリモート会議をより効果的に進めるためのコラボレーションツールを探しており、とくに、会議への参加者が1カ所に集まり、付箋を使って、効果的に意見を集めて整理できる体験をリモートで実現するという狙いからMiroを採用したという。リモートでのコラボレーションに視覚的な効果が生まれ、物理的な付箋では難しかった整理、保存ができたり、ワークショップや振り返り設計が容易になったりといったメリットが生まれたという。

国内メッセージアプリ最大手企業での導入例

各種テンプレートを利用して話の進め方やまとめ方が効率化

 Yahoo! Japanでは、コロナ禍においても、スクラムチームや営業、トレーニングチームが共同で作業を行うことが増加。対面と同じように共同作業を行えるツールを探していたという。Miroに標準で用意された各種テンプレートを利用して話の進め方やまとめ方が効率化。高いITスキルを持たない社員でも使えること、セキュリティを担保していることもメリットだったという。

Yahoo! Japanでの導入例

ソフトのアーキチクチャーの検討や、バックログの整理に使用

 デンソー クラウドサービス部では、オフィスでホワイトボードなどを利用してソフトウェア開発を行っていたが、リモートワークでも従来と比べて生産性を落とさないコミュニケーション手法の検討を開始。Miroを採用したところ、コミュニケーションの中心として活用するほど浸透。ソフトウェアのアーキチクチャーの検討や、バックログの整理に使用するなど、開発に不可欠なツールになったという。現場だけでなく、役員も興味を持つに至っており、Miroのフレキシブルライセンスプログラムを利用することで、ユーザー数の増加にも柔軟に対応したという。

デンソー クラウドサービス部での導入例

オフラインの会議でも活用されるMiro

 多くの企業では、オンライン会議での利用だけでなく、オフラインの会議でもMiroを活用しているケースが多いという。

 「これまでの物理的なホワイトボードで、その内容を残す方法は、写真に撮影するしかなく、継続性や連携性がない点が課題だった。これにより、思考の分断が起きていた。また、物理的な環境ではアイデアが広がっても書き込める場所が限定されるという課題もあった。Miroでは、すべての内容をデジタルでボードのなかに入れることができ、タスク管理製品などとの連携により、タスクフォース全体のワークフローをカバーすることもできる」(ミロ・ジャパンの五十嵐社長)と、Miroの特徴を示した。

オールインワンのミーティングソリューション「Miro Smart Meetings」

 なお、Miroでは、2021年10月に、オンラインによる年次イベント「Distributed」を開催。強力なコラボレーションと、生産的が高いミーティングを行うためのツールセットとして「Miro Smart Meetings」を発表した。

 これにより、デザインやスプリント、チームビルディングエクササイズ、プランニングセッション、レトロスペクティブ(振り返り)などの一般的なタイプのミーティングにおいて、オールインワンのミーティングソリューションを提供できる。、参加者の集中力が途切れることなく、主催者が魅力的なコンテンツを作成し、アクティビティをリードすることをサポートできるようになるという。また、簡単なダイアグラム作成やクラスタリング、ステッカー、ゲスト権限の機能なども発表された。今後は、管理機能などの強化が進められることになるという。

日本法人の設立でさらに日本における展開を本格化

 Miroは、日本における展開を本格化させる。

ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏

 2021年5月に、日本法人であるミロ・ジャパンを設立。社長には、Dropbox Japan社長などを務めた五十嵐光喜氏が就任した。

 今後3年間で、国内500万人のユーザーと、TOPIX100企業の95%を含む1万社への導入を目標とし、顧客やパートナー、エキスパートを含めたユーザーコミュニティである「J-Miroverse(ミロバース)」を日本でも構築するという。また、法人顧客に焦点を当て、今後3年間で従業員を100人以上採用する予定も明らかにした。

テンプレ提供やパートナーシップ、コミュニティなどから事業を推進

ミロ・ジャパンのビジネス戦略

 これらの目標を実現するために、「世界のベストプラクティス」、「パートナーシップ」、「ローカルコミュニティ」、「人材」の4点から事業を推進する。

世界中で利用されているテンプレートを活用する環境を提供

 「世界のベストプラクティス」では、世界中で利用されているテンプレートを活用する環境を提供。「ユーザー体験フロー設計」、「アジャイル開発-KANBAN」、「アプリ開発」、「市場攻略タイムライン」、「業務・製品改善/プロジェクト振り返り」、「フィードバック収集」、ブレインストーミング」、「ワークショップ/トレーニング」などのテンプレートの提供により、最適な業務利用が可能になるという。

野村総合研究所など4社とパートナーシップを締結

 「パートナーシップ」においては、野村総合研究所(NRI)、日立ソリューションズ、CTCエスピー、Tooの4社とのパートナーシップを発表。各社とも、コンサルティング業務やアジャイル開発、ソリューションの企画設計、トレーニングやヘルプデスクなどにおいて、Miroを自ら活用してきた実績があり、これらのノウハウを活用して提案をしていくことになるという。

 「多くのコンサルティング企業がクライアントとのコミュニケーションにMiroを活用している。今後は、コンサルティング会社とのパートナーシップも強化していきたい。また、日本で広く利用されている日本ローカルのパートナーとのアプリケーション統合も考えている」(五十嵐社長)とした。

日本語での情報共有などが可能に

 「ローカルコミュニティ」では、日本語での情報共有などが可能にしたJ-Miroverseを新設。ベストプラクティスを共有し、同時にテンプレートも公開することができる。また、J-Community on Miroを通じて、業種をまたがった交流会を、対面およびMiro上で展開し、企業や組織のイノベーションを支援するという。

日本の時間帯に、日本語で説明し、提案できる体制を

 「人材」においては、今後3年間で100人以上の体制とするほか、自らハイブリッドワークを実践。Great Place to Work(働きがいのある会社)ランキングでのカテゴリーナンバーワンを目指すという。五十嵐社長は、「きちっとしたビジネスは、きちっとした人材の上で成り立つ。まずはカスタマサクセス部門を立ち上げ、そこの人材を増やしていく。日本の時間帯に、日本語で、しっかりと説明し、提案できる体制を整える。また、技術部門を立ち上げて、顧客ニーズに対応。サポート、営業、マーケティング部門も整えていく」と語る

 また、「Miroは、ハードウェアやソフトウェアの製品開発部門での利用が多い。まずは製造業への提案を進めたり、サービス開発を行うサービス業にも提案を行う。日本では、Miroの競合と想定している企業はない。その点では、Miroそのもののブランド認知度、製品認知度を高めていくことが大切である。日本のお客様の声を聞く体制を作り、製品に反映させたい」と述べた。

 加えて、「日本でのMiroの立ち上げはゼロからになる。とてもエキサイトしており、心臓のなかをみせたいぐらいである。これまでの経験や知識をフルに投入し、ミロ・ジャパンを成功させたい。新たに入社した社員もエキサイトしている」などとした。