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無料ペイントソフト「Krita 5.0」、史上「最大かつもっとも重要な」アップデート
リソースの管理を一新して安定性とパフォーマンスを向上
2021年12月24日 12:37
ペイントソフト「Krita」の最新版v5.0.0が、12月23日に公開された。2018年3月以来のメジャーバージョンアップとなる。
「Krita」は、Linuxのデスクトップ環境「KDE」の画像編集アプリケーション「KImage」の流れをくむオープンソースのペイントソフト。初心者からプロまで使える本格的なお絵描きツールを目指し、20年以上にもわたり開発が続けられている老舗のアプリだ。
現在はWindowsやMacでも利用可能。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。寄付も歓迎しており、「Microsoft Store」や「Steam」からアプリを購入すれば開発を支援できる。
「Krita 5.0」は今までで「最大かつもっとも重要な」アップデートで、その変更は多岐にわたる。
なかでも注目すべきは、ブラシプリセット、グラデーション、パレットといったリソースの管理が一新されたことだ。リソース処理の中核に「SQLite」を据え、リソースのタグ付けと読み込みがすべてデータベースで管理されるようになり、従来バージョンにあった不具合の多くが解決された。
また、一度にリソースを読み込む必要がなくなったため、起動速度の向上やメモリ使用量の削減も実現できたという。リソースフォルダーがハードコード(ソースコードに直書きされ、変更できないこと)されなくなり、USBメモリなどにリソースを入れて持ち運べるようになったほか、リソースマネージャー自体も新しくなっている。
また、グラデーションも改善された。8bit画像のグラデーションにディザリングが実装され、人の目に色の移り変わりがより滑らかに映るようになったほか、16bit/32bit画像のグラデーションも美しくなった。グラデーションエディターもブラッシュアップされ、より使いやすくなっている。
そのほかにも、さまざまな部分が改善・強化された。以下にあげるのはそのほんの一部だ。
- fast floatプラグインによる高速なカラー管理
- スマッジブラシエンジンの書き換え
- 「MyPaint」ブラシのサポート
- アニメーション関連機能のオーバーホール
- 新しくなったストーリーボードツールとワークフロー
- ユーザーインターフェイスの改善
- HEIFプラグインの更新とAVIFのサポート
- TIFFサポートの改善
- WebPプラグインの改善
- 独自フォーマットKRAを圧縮したKRZ形式のサポート
- タイムラプスビデオを記録するレコーダードッカー
- レイヤー機能の強化
- Pythonプラグインの拡充と改善
- [Ctrl]+[Enter]キーでアクションを検索
なお、32bit版Windowsのサポートは終了した。「Krita 5.0」の新しいサポートOSはWindows 8.1以降(64bit版のみ)となっているので注意。
ソフトウェア情報
- 「Krita」
- 【著作権者】
- The Krita team
- 【対応OS】
- 64bit版Windows 8.1以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 5.0.0(21/12/23)