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無料ペイントツール「Krita 5.2」が公開 アニメーション・テキストエンジンを一新

「FFmpeg」ビデオエクスポートも簡素化

「Krita」v5.2.0

 「Krita 5.2.0」が、10月11日に公開された。「Krita」は、Linuxのデスクトップ環境「KDE」の画像編集アプリケーション「KImage」の流れをくむオープンソースのペイントツール。現在では、Windows/Mac、Androidなどに対応する。初心者からプロまで使える本格的なお絵描きツールを目指し、20年以上にもわたり開発が続けられている老舗のアプリだ。

 本バージョンでは、アニメーション制作で課題となっていたオーディオの同期再生とビデオエクスポートの改善に取り組んでいるとのこと。バックボーンがマルチメディアフレームワーク「MLT」を用いて書き直されたほか、「FFmpeg」の基本的なビルドを「Krita」自体に内蔵することにより、初学者には難しかった「FFmpeg」によるエクスポート指定が簡素化された(Android版は未対応)。

 また、従来のテキストレイアウトエンジンが使いにくく、拡張性にも乏しかったとして、エンジンがゼロから書き直された。新しいテキストレイアウトエンジンは旧バージョンで利用可能だったすべての機能に加え、OpenType機能へのアクセスや「COLRv0」絵文字のレンダリングにも対応している。「Krita 5.2」では新機能へのアクセスにSVGコードエディターを使用する必要があるが、将来の「Krita 5.3」ではこれも不要となる見込み。

 そのほかにも、以下の改善が施された。

  • アンドゥ機能をオーバーホール。コードを単純化し、オプションをより直感的に使えるように
  • スケッチブラシエンジンの結果にアンチエイリアスをかける機能
  • 変形ツールで選択したすべてのレイヤーを一度に変形する機能
  • 塗りつぶしツールに縁がボケた輪郭線でもしっかり塗りつぶせる新しいモード
  • 連続選択ツールにも、塗りつぶしツールと同じ選択範囲の拡張オプションが追加
  • ショートカットの拡充
  • 広色域カラーセレクター。いずれはアドバンストカラーセレクターを置き換え
  • レイヤードッカーにいくつかの表示オプションを追加
  • CMYKのブレンドモードがどのように機能するかを変更できるように。「Photoshop」との互換性を改善
  • 「WebP」エクスポーターを改善
  • ブラシ設定のコードを「Lager」ライブラリで動作するように書き直し

 「Krita」は現在、公式サイト「krita.org」から無償でダウンロード可能。寄付も受け付けており、「Microsoft Store」や「Steam」からアプリを購入すれば開発を支援できる。

ソフトウェア情報

「Krita」
【著作権者】
The Krita team
【対応OS】
64bit版Windows 8.1以降
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
5.2.0(23/10/11)