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Mac版「OneDrive」のファイル オンデマンドが刷新、「macOS 12.1」以降で利用可能に

Appleの提供する「File Provider」ベースとなり、OSとの親和性・安定性が向上

「macOS 12.1 Monterey」以降で「OneDrive」のファイル オンデマンド(Files On-Demand)機能が利用できるように

 米Microsoftは1月12日(現地時間)、「macOS 12.1」以降で「OneDrive」のファイル オンデマンド(Files On-Demand)機能が利用できるようになったと発表した。

 「OneDrive」同期クライアントアプリはクライドストレージとローカルストレージを同期してくれるが、あまり使わないファイルまですべてローカルに保存しておくのはストレージの無駄だ。そこで、あたかもローカルストレージに存在すると見せてファイルの実体は持たず、必要になったときに(オンデマンド)はじめてクラウドからダウンロードして利用できるようにした仕組みが「ファイル オンデマンド」だ。Mac環境では2018年からファイル オンデマンドをサポートしており、「macOS 10.14 Mojave」で利用できた。

 しかし、この仕組みはMicrosoftが独自に実装したもので、OSが提供した仕組みを利用したものではない。APFSの提供するファイル情報の一部も利用できなかった。

 一方、今回の実装はAppleの「File Provider」と呼ばれる新しいテクノロジースタックに基づいており、以前のバージョンに比べてOSとの統合に優れ、信頼性も期待できる。また、デスクトップやドキュメント、ピクチャーといったフォルダーを「OneDrive」と同期する「既知のフォルダー移動」といった、これまで提供できなかった新機能にも対応するという。

 新しいファイル オンデマンドを利用するには、APFSでフォーマットされたボリュームが必要。HFS+ボリュームでは利用できない。また、同期フォルダーのルートはホームディレクトリ内に固定(~/Library/CloudStorage/OneDrive-Personal)され、他の場所に移動させることはできない。別のボリュームにデータを置きたい場合は、シンボリックリンクが張られる。

 OSは「macOS 12.1」以降が必須となるが、同社のInsidersプログラムに参加していれば「macOS 12.0」でも利用できる。

 なお、古い実装はすでに非推奨とされているテクノロジーをベースに構築されていることもあり、段階的に廃止される。次期バージョン「macOS 12.2」が、以前の実装をサポートする最後のOSとなる見込みだ。新旧の実装には仕様の違いが少なからずあるので、移行に不安を感じる場合は入念にテストを行うべきだろう。