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「VirusTotal」公式の拡張機能「VT4Browsers 4.0」が公開 ~ただし使い方には注意

不審なファイルやWebサイトを70以上ものセキュリティツール・サービスでスキャン

「VT4Browsers」v4.0

 ウイルススキャンサービス「VirusTotal」は3月14日(現地時間)、公式Webブラウザー拡張機能「VT4Browsers 4.0」を公開した。現在、「Google Chrome」向けと「Firefox」向けをそれぞれの拡張機能ライブラリからダウンロード可能。「Google Chrome」は「Microsoft Edge」をはじめとする「Chromium」ベースのブラウザーでも利用できる。

 「VirusTotal」は不審なファイルやWebサイトを70以上ものセキュリティツール・サービスでスキャンし、その結果を一覧できるサービス。解析結果は研究者コミュニティと自動で共有される仕組みになっており、セキュリティ向上に役立てられる。2012年に買収され、現在はGoogleの傘下にある。

 「VT4Browsers」は、この「VirusTotal」サービスをWebブラウザーから手軽に利用できるようにした公式の拡張機能。「VT4Browsers 3.0」で「Chrome」用の「VTchromizer」と「Firefox」版の「VTzilla」が統合され、現在の形で提供されるようになった。

「VirusTotal」へダウンロードファイルを送信するか尋ねるプロンプト(既定で無効)
「VirusTotal」へアップロード
スキャン結果の表示
右クリックメニューから閲覧ページやリンクをスキャンすることも可能

 「VT4Browsers 4.0」における変更は、「VT Augment」に対応したこと。これはサードパーティ製ツールに「VirusTotal」機能を組み込むために提供されている仕組み。APIキーを取得して「VT4Browsers」に登録すると、Webページ上の指定したIoC(ハッシュ、ドメイン、IP、URL)に「VirusTotal」アイコンを追加し、検出率などを表示できるようになる。

APIキーを取得して「VT4Browsers」に登録すると、追加機能が利用できる
リンクに「VirusTotal」アイコンを追加し、検出率などを表示。クリックするとサイドパネルで詳細情報が得られる

 これは主にセキュリティリサーチャー向けの機能だが、APIキー自体は無償で取得できる。有償のプレミアムキーもあるが、これは商用の問い合わせフォームから申請しないと利用できない。

 なお、「VT4Browsers」拡張機能を利用する際は、機密情報の流出にくれぐれも注意してほしい。「VirusTotal」にアップロードしたファイルは、前述の通り、研究者コミュニティと自動で共有される。そのため、社内文書などをローカルのウイルスソフトと同じようにスキャンすると、それに含まれる個人情報や機密情報が外部に漏洩してしまう可能性がある。スキャンするファイルやURLは公開のものに限るとともに、拡張機能の設定をよく確かめて、意図しないファイルやURLが外部に送信されないように気を付けよう。

ソフトウェア情報

「VT4Browsers」Google Chrome版
【著作権者】
vtchromizer-devs
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
4.0.0(22/03/15)
「VT4Browsers」Firefox版
【著作権者】
VirusTotal Team
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
4.0.0(22/03/14)