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電子書籍の全文検索に対応した「calibre 6.0」 ~Apple Siliconにも対応

オープンソース・クロスプラットフォーム対応の電子書籍管理ソフト

「calibre」v6.0.0

 オープンソースの電子書籍管理ソフト「calibre 6.0」が、7月11日に公開された。一年半ぶりのメジャーバージョンアップで、全文検索機能の追加をはじめとするさまざまな改善が行われている。

 「calibre」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応のデスクトップ向け電子書籍管理ソフト。Windows/Mac/Linuxをサポートしており、電子書籍ファイルを閲覧するためのビューワー機能をはじめ、電子書籍の情報を編集する機能、各種ドキュメント・電子書籍ファイル形式を相互変換する機能、電子書籍リーダーとの同期機能など、電子書籍に関する機能を網羅している。モバイルデバイスはサポートされていないが、デスクトップにインストールされた「calibre」に接続して電子書籍を楽しむことは可能。

 「calibre 6.0」における目玉は、ライブラリの全文検索に対応したことだ。検索バーの左端にある「FT」というボタンをクリックすると、ライブラリに追加されている電子書籍をスキャンしてインデックス(索引)を構築し、任意のキーワードで全文検索できるようになる。

検索バーの左端にある「FT」というボタンをクリック。初回利用時はインデックスを構築する必要がある
任意のキーワードで全文検索
検索にマッチした部分を電子書籍ビューワーで表示

 また、電子書籍ビューワーでは音声読み上げがサポートされた。読み上げにはOS内蔵の音声合成エンジンが用いられる。

電子書籍ビューワーでは音声読み上げがサポート
OS内蔵の音声合成エンジンを用い、読み上げ部分をハイライトしながら読み上げ

 そのほかにも、Mac版では「Apple Silicon」が、Linux版ではARMアーキテクチャーがサポートされた。「calibre://」スキームのURLが利用可能となり、「calibre」を起動するためのリンクが作成できるようになったのも興味深い改善点だ。

 なお、本バージョンではベースとなるGUIライブラリが「Qt 6」になっている。その関係で、「Qt 6」に対応していないWindows 8はサポート対象から外された。Windows版の対応OSは、Windows 8.1以降となる。

 また、「Qt」で32bit環境のサポートが打ち切られたため、「calibre」も64bit専用となった。Windows環境で32bit版「calibre」を利用している場合は、「calibre 6.0」へアップグレードする際に自動で64bit版へ移行される。この関係で、ファイルの関連付けやショートカットファイルの更新を手動で行わなければならないケースがあるので注意したい。

ソフトウェア情報

「calibre」Windows版
【著作権者】
Kovid Goyal 氏
【対応OS】
Windows 8.1以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
6.0.0(22/07/11)