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オーディオ付きEPUBブックに対応した電子書籍管理ソフト「calibre 7.0」がリリース

著者や出版社、シリーズといったメタデータにメモを関連付ける機能も追加

「calibre」v7.0

 オープンソースの電子書籍管理ソフト「calibre 7.0」が、11月17日に公開された。1年4カ月ぶりのメジャーバージョンアップとなっている。

 「calibre」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応のデスクトップ向け電子書籍管理ソフト。Windows/Mac/Linuxをサポートしており、電子書籍ファイルを閲覧するためのビューワー機能をはじめ、電子書籍の情報を編集する機能、各種ドキュメント・電子書籍ファイル形式を相互変換する機能、電子書籍リーダーとの同期機能など、電子書籍に関する機能を網羅している。モバイルデバイスはサポートされていないが、デスクトップにインストールされた「calibre」に接続して電子書籍を楽しむことは可能。

 「calibre 7.0」の目玉は、オーディオ付きEPUBブックのサポートだ。オーディオブックは一般に録音された音声がテキストを読み上げるタイプの電子書籍を指し、長距離運転の多いアメリカを中心に普及が進んでいるという。デスクトップアプリの「calibre」でそうした運用は難しいだろうが、手持ちのオーディオEPUBブックをデスクトップで再生する手段としてはまだ貴重だ。

 なお、コーデック特許の影響で、Linuxでは動作しない可能性があるとのこと。WindowsとMacでは問題なく利用できるようだ。

 次に、「カテゴリーノート」と呼ばれる機能が新たに追加された。これは著者や出版社、シリーズといったメタデータにメモ(note)を関連付ける機能で、タグブラウザーや書籍の詳細パネルなどを右クリックすると追加できる。ノートは検索、閲覧、リンクが可能で、スタンドアロンのHTMLファイルとしてエクスポートすることもできる。

タグブラウザーや書籍の詳細パネルなどを右クリックすると追加できる「カテゴリーノート」
著者や出版社、シリーズといったメタデータにメモ(note)を関連付ける

 カテゴリーノートを一覧するには、[Ctrl]+[Shift]+[N]キーを利用する。ツールバーをカスタマイズして、ノートを一覧するボタンを追加してもよい。

[Ctrl]+[Shift]+[N]キーでカテゴリーノートを一覧

 そのほかにも、電子書籍に関連するデータファイルを紐付ける機能が導入された。OSのごみ箱ではなく、独自のプライベートごみ箱が導入されたのも小さからぬ改善で、ワンクリックで本の削除を取り消し、関連するファイルとメタデータを自動的に復元できる。

 「calibre」は現在、公式サイト「calibre-ebook.com」から無償でダウンロード可能。Windows版はWindows 10以降に対応しており、窓の杜ライブラリからも入手できる。

ソフトウェア情報

「calibre」Windows版
【著作権者】
Kovid Goyal 氏
【対応OS】
64bit版Windows 10以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
7.0(23/11/17)