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「なりすまし」増加中! Microsoftが個人向け「Microsoft Defender」に監視機能を導入

専門家へのアクセスや損害保険といったサービスも付帯。まずは米国でスタート

Microsoft、個人向け「Microsoft Defender」の提供を開始

 米Microsoftは10月3日(現地時間)、個人向け「Microsoft Defender」(Microsoft Defender for individuals)に身元詐称の監視機能を導入すると発表した。

 同社によると、犯罪者が誰かのID情報を不正に使用する「なりすまし」(Identity Theft)の被害は増加傾向にあり、個人の信用が毀損されたり、誤認逮捕などの人生を左右する問題に発展するケースもあるという。

 こうした個人情報の盗難防止に取り組んでいる「identitytheft.org」によると、なりすまし犯罪の件数は2020年に比べて70%増加しており、2021年には米国だけで年間570万件が報告されている。つまり、米国では平均して22秒ごとに誰かのIDが盗まれ、米国人の33%が生きているうちに個人情報盗難の被害に遭うことになる。米国経済に与える損害は年間58億ドルにも達する。

 このようななりすまし被害を防止するには、強力なパスワードを使う、認証情報を再利用しない、多要素認証を有効にする、個人情報をソーシャルメディアに投稿しない、クレジットカード・銀行口座・支払い履歴に異常がないか常に監視する、といった基本的な対策が有効。一つ一つは簡単でも、それらを徹底したり、継続的に行うのは難しいが、なりすまし監視機能のようなサービスを活用すれば、被害を未然に防ぐことができるだろう。

 個人向け「Microsoft Defender」に導入されるなりすまし監視機能は、ヨーロッパ最大級の信用調査会社「Experian」と提携し、同社の信用情報管理やID盗難防止技術を活用することでインターネット、ダークウェブ、ファイル共有、チャットルームなどで個人情報が共有されている場合に、それを検出・追跡し、ユーザーに警告を発する。

 どんな個人情報が漏れているのかが明らかになれば、パスワードのリセットやセキュリティの強化、クレジットカードの停止といった対応措置をとることができるだろう。個人向け「Microsoft Defender」のなりすまし監視機能は、想定されるリスクや対応策を提示する機能はもちろん、専門家へのアクセスや損害保険といったサービスも付帯しているので安心だ。また、この機能は「Microsoft 365 Family」に加入する家族にも適用される。

 この機能はまず、米国の「Microsoft 365」サブスクライバーに提供される。日本などへの展開にも期待したい。