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「Google Chrome 107」がベータ版に ~画面共有のAPIにさまざまな新オプション
開発者ツールではキーボードショートカットのカスタマイズ機能などが導入
2022年10月5日 16:31
米Googleは9月29日(現地時間)、「Google Chrome 107」のベータ版に追加された新機能と変更点を発表した。「Chrome 107」ではCSSの「grid-template」プロパティで補間がサポートされたほか、「Screen Capture API」の拡充が行われている。
「Chrome」をはじめとするモダンブラウザーはオンラインミーティングにおける画面共有などの状況に対応するため、ウィンドウやタブをキャプチャー(撮影)する「Screen Capture API」をサポートしており、以下のコードで選択したウィンドウやタブを共有できる。
captureStream = await navigator.mediaDevices.getDisplayMedia(displayMediaOptions);
しかし、偶発的な事故で本来共有されてはならない情報が流出してしまうケースもある。そこで、「Chrome 107」では「getDisplayMedia()」にいくつかのオプションが追加された。
- DisplayMediaStreamConstraints.selfBrowserSurface:ユーザーが現在のタブを共有できないように。「鏡の間」(hall of mirrors)現象を防止する
- DisplayMediaStreamConstraints.surfaceSwitching:共有するタブを切り替えるボタンを追加。共有したいタブを変更したいがためだけにデスクトップ全体を共有する必要がなくなる
- MediaTrackConstraintSet.displaySurface:画面共有の選択画面(ピッカー)に表示される初期要素を指定。タブ(browser)、ブラウザー(window)、ディスプレイ(monitor)の3つが利用可能
また、「PerfomanceResourceTiming」の改善、アクセス許可ポリシーのオリジンでワイルドカードを使用する機能の追加、「form」要素における「rel」属性(noopener、noreferrer)のサポートなどが行われた。
新しい「Origin Trials」テストは、以下の2件。
- Declarative PendingBeacon API(ビーコンが送信されるタイミングをブラウザーが制御できるように。「Chrome 109」まで)
- Permissions-Policy: unload(アンロードイベントハンドラーの実行を無効化。「Chrome 109」まで)
加えて、開発者ツールではキーボードショートカットのカスタマイズ機能などが導入される。
一方で、HTTPヘッダー「Expect-CT」は非推奨となり、将来バージョンで削除されることになった。
「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Androidなどに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10/11で利用できる。