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「Wireshark 4.0」が正式公開 ~デザインやフィルター構文を更新、32bit版はなし
フリーの高機能パケット解析ツール
2022年10月6日 09:00
「Wireshark」の最新版「Wireshark 4.0.0」が10月4日、正式公開された。「Wireshark 3.7」開発版でテストされていた機能を盛り込んだメジャーアップデートとなる。
「Wireshark」は、Windows/Mac/Linuxなどをサポートするクロスプラットフォーム対応のネットワークプロトコルアナライザー。ネットワークに流れるさまざまなパケットの情報をリアルタイムで解析・調査できる。
約1年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「Wireshark 4.0」では表示フィルターの構文が刷新され、従来よりも柔軟かつ厳格なクエリを記述できるようになった。[統計]メニューからアクセスできる[Conversation](対話)ダイアログや[Endpoint](終端)ダイアログのデザインもアップデートされている。メインウィンドウの既定レイアウトは、パケット一覧ペインの下にパケット詳細とパケットバイトを並べて表示するスタイルになった。
そのほかにも、「text2pcap」コマンドと16進ダンプからのインポート機能を強化。新しいプロトコルのサポート拡充と、既存プロトコル対応のアップデートが行われた。ウェルカム画面も少し変更されており、アクティブなインターフェイスのスパークライン(接続状況を示す小さなグラフ)だけが表示されるようになった。プルダウンメニューを利用すれば、隠れているインターフェイスも表示できるようになる。
なお、Windows版インストーラーに同梱されるライブラリは以下の通り。
- 「Npcap 1.71」
- 「Qt 6.2.3」
「Qt」に関しては旧安定版「Wireshark 3.6」の「Qt 5.12.2」から大きくアップデートされている。
また、旧バージョンのサポート打ち切りや対応OSの変更などにも注意したい。
- 「Wireshark 4.0」に32bit版はない。32bit版Windowsをサポートする「Wireshark」は、「Wireshark 3.6」シリーズが最後となる
- 「Wireshark 4.0」シリーズはリリース後、最低でも18カ月サポートされる。「Wireshark 4.4.0」がリリースされると、サポートは打ち切られる
- 「Wireshark 3.6」シリーズは長期サポートリリース(LTS)で、2024年5月22日まで利用できる
- 「Wireshark 3.4」シリーズは、「Wireshark 4.0」のリリースに伴いサポートが打ち切られる。後継バージョンへのアップグレードが必要
- macOSパッケージは「Qt 6.2.4」を同梱した関係で「macOS 10.14」以降が必要
ソフトウェア情報
- 「Wireshark」Windows向け開発版
- 【著作権者】
- Gerald Combs and contributors
- 【対応OS】
- Windows 8.1/10およびWindows Server 2012/2012 R2/2016/2019
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 4.0.0(22/10/04)