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「Visual Studio Code」v1.72が正式公開 ~ターミナルでのタイプミスもこっそり手直し

ツールバーのカスタマイズや賢くなった自動スクロールなど改善盛りだくさんの2022年9月更新

「Visual Studio Code」v1.72

 米Microsoftは10月7日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2022年9月アップデート(v1.72)を正式公開した。今月のアップデートでも、多くの機能改善が行われている。

ワークベンチ:ツールバーのカスタマイズ

 「Visual Studio Code」のドキュメントタブのなにも表示されていない部分にはツールバーが配置されており、そのドキュメントで利用できるさまざまなアクションが表示されている。しかし、不要なアクションを隠して、よく使うアクションのみをシンプルに表示したいといった需要もあるだろう。

 そこで今回のアップデートでは、ツールバーのアクションの表示・非表示を切り替えられるようになった。カスタマイズするうちに元の状態へ戻したくなったら、復元アクションを実行すればよい。

ツールバーのアクションの表示・非表示を切り替えられるように

 そのほかにも、ワークベンチでは3ウェイマージエディターの改善(オプトイン化、CodeLens UIの導入、コンフリクトの算出処理の変更)、以下のオーディオ・ビデオファイルプレビューのサポートなどが行われている。

  • WAVE
  • MP3
  • Ogg
  • FLAC
  • H.264
  • VP8

エディター:自動スクロール動作の改善

 エディターにおける変更点の目玉は、スクロール処理の改善だ。テキストを選択してドラッグしたとき、従来はエディターの端に達するとすぐにスクロールを高速化していたが、新バージョンではマウスカーソルがエディターから離れるにつれてスクロールレートが増えていく。

マウスカーソルがエディターから離れるにつれてスクロールレートが増加

 また、細かいところだがマウスホバーによるツールチップの処理も改善された。従来はホバーが解除されるとすぐにツールチップが非表示になり、ツールチップ上の要素へアクセスするにはコツが要ったが、「editor.hover.sticky」オプションを有効化すれば、ホバーが解除されてもマウスがツールチップへ向かって移動している限り、ツールチップが非表示になることはない。

拡張機能

 [拡張機能]ビューがアップデートされ、さまざまな改善が導入された・

  • 過去7日間に更新された拡張機能を表示するセクションを追加
  • 注意が必要な拡張機能をインストール済みセクションの先頭に表示
  • アクティビティバーの[拡張機能]アイコンのバッジに、注意が必要な拡張機能の数を表示
  • 拡張機能の更新を無視できるプルダウンメニュー
  • インストールされている拡張機能をインストール数、評価、名前、公開日、更新日で並び替え
[拡張機能]がアップデート

ツリービュー

 検索結果をリストビューではなく、ツリービューで表示できるようになった。リストビュー・ツリービューの切り替えは、右上のアイコンを押すだけだ。

検索結果をリストビューではなく、ツリービューで表示できるように

 また、ツリービューの検索コントロールを上下に移動して、隠れたUI要素にアクセスできるようになったのも、地味ながら歓迎すべき変更点といえるだろう。

ターミナル:クイックフィックス

 ターミナル機能には、コマンドのタイプミスを検出して正しいコマンドをサジェストするクイックフィックスのロールアウトが開始されているとのこと。このクイックフィックスは「Git」の類似コマンドだけでなく、アップストリームが空の場合の提案も可能。初めてブランチをリモートプッシュする際はプルリクエストの作成を促したり、サーバーを起動するときにポートがふさがっているとポートを開放するアクションを候補に示すこともできる。

コマンドのタイプミスを検出して正しいコマンドをサジェストするクイックフィックス

 そのほかにも、頻繁に利用するタスクをピン留めする機能や、バックグラウンドタスクの完了後に通知音を鳴らす機能、ネストされた「Git」リポジトリを検出してサブモジュールを表示する機能などが新たに追加されている。Markdownドキュメントではヘッダー、ファイル、イメージのリンクを自動的にチェックする検証機能が導入された。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。

 現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。また、Windows 10/11ならば「ストア」アプリ(Microsoft Store)からインストールすることも可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートできる。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 8/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.72(22/10/02)