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「FFmpeg」ライブラリを同梱した「Visual Studio Code」2022年8月更新

「スティッキー スクロール」は実験的機能を卒業。多くの改善が導入される

「Visual Studio Code」v1.71

 米Microsoftは9月2日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2022年8月アップデート(v1.71)を正式公開した。「Visual Studio Code」では先日、Markdownサポートが言語サーバー(Language Server)化されたことが発表されたが、それ以外にも数多くの改善が含まれている。

 まず、3ウェイのマージエディターが改良され、ファイルの競合を検知すると[マージエディタで開く]ボタンが自動で表示されるようになった。マージエディターへの切り替えが簡単に行えるようになる。マージエディターと古いインラインエクスペリエンスを同時に利用することもできる。細かいユーザーインターフェイスを調整したり、新しい差分アルゴリズムを試験機能として導入するなどの改善も加えられている。

3ウェイのマージエディターが改良

 次に「FFmpeg」ライブラリが「Visual Studio Code」に同梱されるようになった。従来はFLACコーデックのみをサポートしていたが、最新版では以下のメディアフォーマットが利用できるようになる。主にノートブックやWebビューに埋め込まれたオーディオ・ビデオの再生に利用することが想定されているようだ。

  • Vorbis
  • FLAC
  • H.264
  • VP8
  • WAVE
  • MP3
  • Ogg

 使い勝手の面では、[F2]キーを用いたファイル名の変更が改善されたのが地味ながらうれしいポイントだ。キーを押すごとに拡張子を除く名前、名前全体、拡張子のみを選択できるようになっており、リネーム処理におけるキー操作が簡略化されている。

[F2]キーを用いたファイル名の変更が改善されたのが地味ながらうれしいポイント

 コードアクション(クイック修正とリファクタリングを統合したもの)のコントロールも見直され、単純なメニューから専用のカスタムパネルへと改められた。

コードアクションのメニューがリッチに

 また、すべてのボタンをアップデートして、わずかに角に丸みを帯びたデザインに変更したり、Windows 11の「スナップ レイアウト」に対応するなどの改善も盛り込まれた。画面の上部に関数名などを固定表示したままスクロールできる「スティッキー スクロール」が実験的機能を卒業し、「editor.stickyScroll.enable」オプションで有効化できるようになったのも注目すべき変更点だろう。

Windows 11の「スナップ レイアウト」に対応
画面の上部に関数名などを固定表示したままスクロールできる「スティッキー スクロール」

 シェル関係では「fish」および「Git Bash」(Windows)の統合が実験的にサポートされた。スムーズスクロールやエスケープシーケンスによるスタイリング(下線、色。Windowsでは未対応)にも対応したほか、レンダリングも改善されている。

 そのほかにも、「Jupyter Notebook」でMarkdownセルに画像を貼り付けられるようになった。PNG形式のみとなるが、スクリーンショットの貼り付けなども可能。「Pylance」によるIntelliSense対応が大きく改善され、自動補完オプションはもちろん、変数の抽出、メソッドの抽出、シンボルの名前の変更などのリファクタリング機能も利用できるようになった。

 また、「Live Preview」拡張機能ではマルチルートのWebプロジェクトがサポートされている。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。

 現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。また、Windows 10/11ならば「ストア」アプリ(Microsoft Store)からインストールすることも可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートできる。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 8/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.71(22/09/02)