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2022年12月「.NET」セキュリティ更新に問題、WPFアプリでXPS文書が正しく表示されない

セキュリティ強化策の影響、Microsoftが回避策を案内

サポートドキュメント「KB5022083」

 2022年12月の「.NET Framework」および「.NET」のセキュリティ更新プログラムを適用すると、WPFベースのアプリケーションがXPSドキュメントを正しくレンダリングできなくなる場合があるという。米Microsoftは12月13日(現地時間)、その対処方法を案内するサポートドキュメント「KB5022083」を公開した。

 具体的な症状としては、表組み、ストーリーボード、ハイパーリンクといった構造的または意味的な要素を含むXPSドキュメントが正しく表示されない。影響を受けるバージョンは以下の通り。

  • .NET Framework 2.0, 3.0, 3.5, 3.5.1(12月13日のセキュリティパッチがインストールされている場合)
  • .NET Framework 4.6.2, 4.7, 4.7.1, 4.7.2(12月13日のセキュリティパッチがインストールされている場合)
  • .NET Framework 4.8(12月13日のセキュリティパッチがインストールされている場合)
  • .NET Framework 4.8.1(12月13日のセキュリティパッチがインストールされている場合)
  • .NET Core 3.(Windows Desktop runtime v3.1.32)
  • .NET 6(Windows Desktop runtime v6.0.12およびそれ以降)
  • .NET 7(Windows Desktop runtime v7.0.1およびそれ以降)

 問題を回避するには、同社が提供するPowerShellスクリプトをダウンロードし、管理者権限で実行すればよい。

PowerShellスクリプトのダウンロード

// 保存したフォルダーで以下のコマンドを管理者権限で実行
.¥kb5022083-compat.ps1 -Install

 これでも解決しない場合は、レジストリエントリを編集してセキュリティ強化策を無効化する必要がある。「コマンド プロンプト」などで以下のコマンドを管理者権限で実行すればよい。

reg add "HKLM¥SOFTWARE¥Microsoft¥.NETFramework¥Windows Presentation Foundation¥XPSAllowedTypes" /v "DisableDec2022Patch" /t REG_SZ /d "*" /reg:64

 また、グループポリシーでセキュリティ強化策を無効にする方法も用意されている。

 ただし、この方法はセキュリティが低下してしまうためお勧めはできない。閲覧するXPSドキュメントが確実に信頼できる場合のみ利用しよう。