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今年最後(になるはず)の「Windows Update」が公開 ~「Windows 10 バージョン 21H1」は終了
Microsoftの2022年12月セキュリティ更新
2022年12月14日 10:17
米Microsoftは12月13日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー、Bリリース)。現在、「Windows Update」や「Windows Update カタログ」などから入手可能。以下のMicrosoft製品に対しても、セキュリティアップデートが提供されている。
- .NET Framework
- Azure
- Client Server Run-time Subsystem (CSRSS)
- Microsoft Bluetooth Driver
- Microsoft Dynamics
- Microsoft Edge (Chromium-based)
- Microsoft Graphics Component
- Microsoft Office
- Microsoft Office OneNote
- Microsoft Office Outlook
- Microsoft Office SharePoint
- Microsoft Office Visio
- Microsoft Windows Codecs Library
- Role: Windows Hyper-V
- SysInternals
- Windows Certificates
- Windows Contacts
- Windows DirectX
- Windows Error Reporting
- Windows Fax Compose Form
- Windows HTTP Print Provider
- Windows Kernel
- Windows PowerShell
- Windows Print Spooler Components
- Windows Projected File System
- Windows Secure Socket Tunneling Protocol (SSTP)
- Windows SmartScreen
- Windows Subsystem for Linux
- Windows Terminal
今月のパッチでは、CVE番号ベースで48件の脆弱性が新たに対処された。
悪用の事実が確認されているのは、以下の1件。この脆弱性をついた攻撃はユーザーによる操作がないと成立しないためか、深刻度は「Moderate」と低めに評価されているが、警戒を怠らないようにしたい。
- CVE-2022-44698:Windows SmartScreen のセキュリティ機能のバイパスの脆弱性
また、以下の脆弱性は攻撃手法がすでに明らかにされている。まだ悪用の事例はないが、できるだけ早い対応が必要だ。深刻度の評価は「Important」。
- CVE-2022-44710:DirectX グラフィック カーネルの特権の昇格の脆弱性
深刻度が「Critical」と評価されている、とくに警戒を要する脆弱性は以下の6件。
- CVE-2022-41127:Microsoft Dynamics NAV と Microsoft Dynamics 365 Business Central (オンプレミス) のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-44690:Microsoft SharePoint Server のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-44693:Microsoft SharePoint Server のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-41076:PowerShell のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-44670:Windows Secure Socket トンネリング プロトコル (SSTP) のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-44676:Windows Secure Socket トンネリング プロトコル (SSTP) のリモートでコードが実行される脆弱性
なお、今月のCリリースは年末休暇のためリリースされない。そのため、定例外のアップデートがなければ、これが年内最後のパッチとなる。次回の月例パッチは、2023年1月11日(日本時間)。連休明けすぐなので注意したい。
Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。セキュリティ修正に加え、Cリリースや定例外リリースの内容も含まれる。
また、「Windows 11 バージョン 22H2」環境では入力方式エディター(IME)の入力モードを変更すると一部のアプリケーションが応答しなくなる問題、ゲーム性能が低下する問題、「タスク マネージャー」の色が見にくくなる問題などが解決された。
- Windows 11 バージョン 22H2:KB5021255
- Windows 11 バージョン 21H2:KB5021234
- Windows 10 バージョン 22H2:KB5021233
- Windows 10 バージョン 21H2:KB5021233
- Windows 10 バージョン 21H1:KB5021233
- Windows Server 2022:KB5021249
- Windows Server 2019:KB5021237
- Windows Server 2016:KB5021235
なお、「Windows 10 バージョン 21H1」はサービスを終了した。今回が最後のアップデートとなる。後継バージョンへのアップグレードが必要だ。
Windows 8.1およびWindows Server 2012/2012 R2
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。「セキュリティのみ」と「マンスリー ロールアップ」の2種類が用意されているが、可能な限り「マンスリー ロールアップ」の適用が推奨されているので注意したい。
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 マンスリー ロールアップ:KB5021294
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 セキュリティのみ:KB5021296
- Windows Server 2012 マンスリー ロールアップ:KB5021285
- Windows Server 2012 セキュリティのみ:KB5021303
なお、「Windows 8.1」は2023年1月10日に延長サポートの終了を迎える。「Windows 7 SP1」の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)も予定通り2023年1月10日までで打ち切りとなる。できるだけ早い後継バージョンへの移行が必要だ。
Microsoft Office関連のソフトウェア
最大深刻度は「重要」(リモートでコードが実行される)。詳細は以下のドキュメントを参照のこと。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間12月5日にリリースされたv108.0.1462.42。
Microsoft Visual Studio
「Visual Studio」関連では、1件の脆弱性が修正された。v17.4、v17.2、v17.0、v16.11でアップデートが配信されている。
- CVE-2022-41089(緊急:リモートでコードが実行される)
Microsoft SharePoint
「Microsoft SharePoint」関連では、2件の脆弱性が修正された。
- CVE-2022-44690(緊急:リモートでコードが実行される)
- CVE-2022-44693(緊急:リモートでコードが実行される)
.NET
「Microsoft .NET Framework」では、1件の脆弱性が修正された。
- CVE-2022-41089(緊急:リモートでコードが実行される)
「.NET Core 3.1」「.NET 6.0」「.NET 7.0」にも影響し、それぞれアップデートが提供されている。
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。
- Windows Terminal for Windows 11:1件(重要:1件)
- Windows Terminal for Windows 10:1件(重要:1件)
- Windows Sysmon:1件(重要:1件)
- Windows Subsystem for Linux:1件(重要:1件)
- Remote Desktop client for Windows Desktop:2件(重要:2件)
- Raw Image Extension:1件(重要:1件)
- PowerShell 7.3:1件(緊急:1件)
- PowerShell 7.2:1件(緊急:1件)
- Azure Network Watcher VM Extension:1件(重要:1件)