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Windows、Exchangeなどにゼロデイ脆弱性6件 ~Microsoftの2022年11月セキュリティ更新
「Critical」な欠陥も12件、できるだけ早い適用を
2022年11月9日 10:05
米Microsoftは11月8日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー、Bリリース)。現在、「Windows Update」や「Microsoft Update Catalog」から入手可能。以下のMicrosoft製品に対しても、セキュリティアップデートが提供されている。
- .NET Framework
- AMD CPU Branch
- Azure
- Azure Real Time Operating System
- Linux Kernel
- Microsoft Dynamics
- Microsoft Exchange Server
- Microsoft Graphics Component
- Microsoft Office
- Microsoft Office Excel
- Microsoft Office SharePoint
- Microsoft Office Word
- Network Policy Server (NPS)
- Open Source Software
- Role: Windows Hyper-V
- SysInternals
- Visual Studio
- Windows Advanced Local Procedure Call
- Windows ALPC
- Windows Bind Filter Driver
- Windows BitLocker
- Windows CNG Key Isolation Service
- Windows Devices Human Interface
- Windows Digital Media
- Windows DWM Core Library
- Windows Extensible File Allocation
- Windows Group Policy Preference Client
- Windows HTTP.sys
- Windows Kerberos
- Windows Mark of the Web (MOTW)
- Windows Netlogon
- Windows Network Address Translation (NAT)
- Windows ODBC Driver
- Windows Overlay Filter
- Windows Point-to-Point Tunneling Protocol
- Windows Print Spooler Components
- Windows Resilient File System (ReFS)
- Windows Scripting
- Windows Win32K
今月のパッチでは、CVE番号ベースで67の脆弱性が新たに対処された。なかでも以下の6件はすでに悪用の事実が確認されており、一刻も早い対応が必要だ(括弧内は深刻度の評価)。「CVE-2022-41091」に関しては攻撃の手法も広く出回っている。
- CVE-2022-41091:Windows Mark Of The Web セキュリティ機能のバイパスの脆弱性(Important)
- CVE-2022-41040:Microsoft Exchange Server の特権の昇格の脆弱性(Critical)
- CVE-2022-41082:Microsoft Exchange Server のリモートでコードが実行される脆弱性(Critical)
- CVE-2022-41128:Windows スクリプト言語のリモートでコードが実行される脆弱性(Critical)
- CVE-2022-41125:Windows CNG キー分離サービスの特権の昇格の脆弱性(Important)
- CVE-2022-41073:Windows 印刷スプーラーの特権の昇格の脆弱性(Important)
深刻度が「Critical」と評価されている、とくに警戒を要する脆弱性は12件。前述のゼロデイ脆弱性に含まれるものを除くと、以下の9件となる。
- CVE-2022-39327:GitHub: CVE-2022-39327 Improper Control of Generation of Code ('Code Injection') in Azure CLI
- CVE-2022-41080:Microsoft Exchange Server の特権の昇格の脆弱性
- CVE-2022-38015:Windows Hyper-V のサービス拒否の脆弱性
- CVE-2022-37967:Windows Kerberos の特権の昇格の脆弱性
- CVE-2022-37966:Windows Kerberos RC4-HMAC の特権の昇格の脆弱性
- CVE-2022-41039:Windows Point-to-Point トンネリング プロトコルのリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-41088:Windows Point-to-Point トンネリング プロトコルのリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-41044:Windows Point-to-Point トンネリング プロトコルのリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2022-41118:Windows スクリプト言語のリモートでコードが実行される脆弱性
Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。セキュリティ修正に加え、Cリリースや定例外リリースの内容も含まれる。
「Windows 11 バージョン 22H2」環境で「Xbox Game Bar」アプリを用いてゲームプレイを動画キャプチャーする際、音声が同期しない問題も解決されており、近々セーフガードが解除される見込み。
- Windows 11 バージョン 22H2:KB5019980
- Windows 11 バージョン 21H2:KB5019961
- Windows 10 バージョン 22H2:KB5019959
- Windows 10 バージョン 21H2:KB5019959
- Windows 10 バージョン 21H1:KB5019959
- Windows Server 2022:KB5019081
- Windows Server 2019:KB5019966
- Windows Server 2016:KB5019964
なお、以下の問題はまだ修正されていないので注意。
Windows 8.1およびWindows Server 2012/2012 R2
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。「セキュリティのみ」と「マンスリー ロールアップ」の2種類が用意されているが、可能な限り「マンスリー ロールアップ」の適用が推奨されているので注意したい。
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 マンスリー ロールアップ:KB5020023
- Windows 8.1/Windows Server 2012 R2 セキュリティのみ:KB5020010
- Windows Server 2012 マンスリー ロールアップ:KB5020009
- Windows Server 2012 セキュリティのみ:KB5020003
なお、企業向けの有償延長サポート「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」に加入している顧客にはWindows 7とWindows Server 2008/2008 R2向けにもパッチが提供される。
Microsoft Office関連のソフトウェア
最大深刻度は「重要」(リモートでコードが実行される)。詳細は以下のドキュメントを参照のこと。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間10月31日にリリースされたv107.0.1418.26。
Microsoft Visual Studio
「Visual Studio」関連では、1件の脆弱性が修正された。v17.3、v17.2、v17.0、v16.11、v15.9でアップデートが配信されている。
- CVE-2022-39253(重要:情報漏洩)
- CVE-2022-41119(重要:リモートでコードが実行される)
Microsoft SharePoint
「Microsoft SharePoint」関連では、5件の脆弱性が修正された。
- CVE-2022-41060(重要:情報漏洩)
- CVE-2022-41061(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2022-41062(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2022-41103(重要:情報漏洩)
- CVE-2022-41122(重要:なりすまし)
Microsoft Exchange
「Microsoft Exchange Server」では、6件の脆弱性が修正された。ゼロデイ脆弱性も含まれるので、公式ブログの情報も参照しつつ、できるだけ早く対処しておきたい。
- CVE-2022-41040(緊急:特権の昇格)
- CVE-2022-41082(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2022-41080(緊急:特権の昇格)
- CVE-2022-41078(重要:なりすまし)
- CVE-2022-41079(重要:なりすまし)
- CVE-2022-41123(重要:特権の昇格)
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。
- Windows Sysmon:1件(重要:1件)
- Windows Subsystem for Linux:1件(重要:1件)
- vcpkg:2件(不明:2件)
- Nuget 4.8.5:1件(重要:1件)
- Nuget 2.1.2:1件(重要:1件)
- Microsoft Dynamics 365 Business Central 2022 Release Wave 1:1件(重要:1件)
- Microsoft Azure Kubernetes Service:2件(不明:2件)
- Azure SDK for C++:2件(不明:2件)
- Azure RTOS GUIX Studio:1件(重要:1件)
- Azure EFLOW:1件(重要:1件)
- Azure CycleCloud 8:1件(重要:1件)
- Azure CycleCloud 7:1件(重要:1件)
- Azure CLI:1件(緊急:1件)