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Windowsの「クイック アシスト」が新旧並立する混乱、2022年12月パッチでとうとう解決

[Windows]+[Ctrl]+[Q]キーで起動するのは「Microsoft Store」提供の新版

新しい「クイック アシスト」アプリ。「Microsoft Store」から提供され、「WebView2」ベースに

 米Microsoftは12月13日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対して2022年12月の品質更新プログラムをリリースした。このパッチをインストールすると、遠隔支援アプリ「クイック アシスト」が新しいバージョンへ切り替わるとのこと。

 「クイック アシスト」(Quick Assist)は、離れたところにいる家族や友人に自分のPCで発生したトラブルを解決してもらうときに役立つ遠隔支援アプリ。双方で「クイック アシスト」を起動し、支援する側で発行した6桁のパスコードを、支援してもらう側が入力するだけでデスクトップ画面を共有できるため、手軽に状況を相手に伝えることができる(要「Microsoft アカウント」)。また、PCの操作そのものを相手にゆだねることも可能。[Windows]+[Ctrl]+[Q]キーで簡単に呼び出せるのもありがたい。

 ところが、同社は「クイック アシスト」をリニューアルし、OS内蔵のオリジナル版に加え、「Microsoft Store」で新しい「クイック アシスト」の提供を開始した。そのため新旧の「クイック アシスト」が並立。[Windows]+[Ctrl]+[Q]キーで起動しても旧版が立ち上がったり、新版への切り替えやインストールの手間が発生するなど、若干の混乱が生じていた。「クイック アシスト」はPCに不慣れな人も利用することが多いため、これは放置しておいてよい状況ではない。

[Windows]+[Ctrl]+[Q]キーでOS同梱のオリジナル版「クイック アシスト」アプリが起動。「Microsoft Store」バージョンへの切り替えが求められる

 そこで今回のパッチでは、OSに同梱されているオリジナル版「クイック アシスト」アプリに「Microsoft Store」と同等の機能を持たせることで、問題の解消が図られた。このアップデートの対象となるOSは以下の通り。

  • Windows 10 バージョン 20H2
  • Windows 10 バージョン 21H1
  • Windows 10 バージョン 21H2
  • Windows 10 バージョン 22H2
  • Windows 11、バージョン21H2

 なお、「Windows 11 バージョン 22H2」には最初から新版が含まれているため、上述の問題の影響を受けない。

 加えて、以下のバージョンに関しても2023年1月の品質更新で同様のアップデートが行われるとのこと。

  • Windows 10 Enterprise 2019 LTSC
  • Windows 10 Enterprise 2016 LTSC

 ともあれ、今後[Windows]+[Ctrl]+[Q]キーで起動する「クイック アシスト」はMicrosoft Store版相当に統一される。プレビュー版「Windows 11」では「設定」アプリに「クイック アシスト」を起動するためのリンクを追加するテストが実施されており、製品版にも導入されれば「クイック アシスト」はより身近なアプリになるだろう。

「設定」アプリの[システム]-[トラブル シューティング]セクションに「クイック アシスト」アプリへのリンクが追加(テスト中のもの)

 新しい「クイック アシスト」は「Microsoft Store」での提供となるため、OSのアップデートサイクルに縛られることなく、機能改善や不具合修正を行える。また、内部で用いられているWebコンポーネントが「Microsoft Edge」由来の「WebView2」ベースとなるため、セキュリティと安定性、パフォーマンスの改善が期待できる。