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今回の「Android Studio」は「電気ウナギ」 ~設計、ビルド&依存関係、エミュレーターを強化

「Android Studio Electric Eel」(2022.1.1)がリリース

「Android Studio Electric Eel」(2022.1.1)

 米Googleは1月12日(現地時間)、「Android Studio Electric Eel」(2022.1.1)を安定版としてリリースした。「Android Studio」にはAから順に動物の名前が愛称として付けられているが、4番目のリリースとなる本バージョンでは「電気ウナギ」が採用されている。

 今回のリリースでは、開発環境(IDE)のプラットフォームが「IntelliJ 2022.1.1」にアップグレード。依存関係の管理と競合解決を容易にする「Dependency Analyzer」が追加されたほか、IDEからのお知らせを受信する通知ツールウィンドウを合理化するなどの改善が施された。

 「Android Studio」独自の改善としては、UIの設計機能やビルドと依存関係に関する改善、エミュレーターの強化などが挙げられる。

 たとえば、従来の「Android Studio」では「Compose Previews」の変更を手動で更新する必要があった。最新版ではこれが自動化され、デザインとその確認という一連の処理がすばやく行えるようになっている。また、コンポーザブルの変更点が「Layout Inspector」で強調表示されるようになったり、XMLレイアウトのビジュアルリンティングがバックグラウンドで実行され、さまざまなフォームファクターで問題の有無をまとめてチェックできるようになったのもうれしい改善。特定のデバイス構成で要素が重複したり、表示されないといったトラブルもすばやく検出できる。

自動更新される「Compose Previews」

 ビルドと依存関係に関しては、「Gradle」同期の一部がデフォルトで並列実行されるようになり、とくに非常に大規模なプロジェクトで大幅なスピードアップが見込めるようになった。「Build Analyzer」も改善され、増分ビルド中に発生するダウンロードなどの問題を見つけやすくなっている。デフォルトで有効化された新しいログツール「Logcat」、IDEとWebブラウザーを行き来することなく「Android Studio」で直接「Firebase Crashlytics」のクラッシュデータを参照・調査できる「App Quality Insights」ウィンドウなどにも注目したい。

「Build Analyzer」でダウンロードインパクトを表示

 最後に、エミュレーター関連ではデスクトップエミュレーターを作成するオプションが追加された。これはChromebookなどのデバイスでアプリがどのように動作するのかをテストしたい場合に便利。「Windows Subsystem for Android」向けのテストをするのにも役立ちそうだ。

Chromebookなどのデバイスでアプリがどのように動作するのかをテスト

 また、さまざまな画面サイズでアプリをテストできる機能、物理デバイスとエミュレーターをミラーリングする機能などが実験的に導入されている。

物理デバイスとエミュレーターをミラーリング

 「Android Studio」はWindows/Mac/Linux/Chrome OSに対応しており、現在Android開発者向けのサイト「Android Developers」から無償でダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「Android Studio」Windows向け安定版
【著作権者】
Google LLC
【対応OS】
64bit版のWindows 8/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2022.1.1(23/01/12)