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フリーの画像編集ソフト「GIMP 2.10.34」が公開 ~PDF透過・TIFFサムネイルなどに対応

次期バージョン「GIMP 3」の新機能を一部バックポート

「GIMP」v2.10.34

 フリーの画像編集ソフト「GIMP」の最新安定版v2.10.34が、2月27日に公開された。約半年ぶりのアップデートとなる。

 「GIMP」は、オープンソースの画像編集・処理ソフト。現在は次期バージョン「GIMP 3」(v2.99.x)の開発が進行中だ。今回リリースされた「GIMP 2.10.34」は不具合の修正が中心だが、「GIMP 3」開発ブランチに導入された新機能もいくつかバックポートされている。

 なかでも目玉となるのは、対応ファイル形式の拡充だ。

 たとえば、TIFFファイルには「reduced page」という概念があり、主要画像の他に「縮小画像」を設定できる。これはサムネイル表示に用いられるが、単に主要画像を縮小したものであるとは限らない。そこで、TIFFファイルのインポートダイアログが拡充され、縮小画像が含まれている場合にそれを表示するかどうかを選択できるように改善された。

TIFFファイルのインポートダイアログが拡充され、縮小画像が含まれている場合にそれを表示できるように

 また、PDFのインポートとエクスポートでは透明領域を背景色で塗りつぶすかどうかを選択できるようになった。「Adobe Photoshop」で用いられるPSD形式への対応なども強化されている。画像をRAWデータでエクスポートする機能も、部分的ながらバックポートされているとのこと。

PDFのインポートとエクスポートでは透明領域を背景色で塗りつぶすかどうかを選択できるように

 ほかにも、キャンバスサイズのダイアログにテンプレートセレクターが導入され、プレビューを確認しながらキャンバスサイズを選択できるようになった。レイヤーリストでは、他のレタッチアプリでお馴染みの「目」(可視・不可視の切り替え)と「チェーン」(リンク)アイコンが追加。デスクトップのカラーピッキングの処理も書き直され、Windows版ではOS専用のコードになっているという。

 「GIMP」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在同プロジェクトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降に対応しており、窓の杜ライブラリや「Microsoft Store」からも入手できる。

ソフトウェア情報

「GIMP for Windows」
【著作権者】
Spencer Kimball、Peter Mattis and the GIMP Development Team
【対応OS】
Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.10.34(23/02/27)