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「プライバシー サンドボックス」に新UI ~「Google Chrome 111」が正式版に

脆弱性の修正は40件

「Google Chrome」v111.0.5563.65

 米Googleは3月7日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定(Stable)版をアップデートした。Windows環境にはv111.0.5563.64/.65が、Mac/Linux環境にはv111.0.5563.64が順次展開される。

 「Chrome 111」ではサードパーティ製Cookieに代わるターゲット広告の仕組み「プライバシー サンドボックス」の導入が本格化し、ユーザーインターフェイスがアップデートされる。編集部では確認できなかったが、段階的にロールアウトされるものと思われる。

「プライバシー サンドボックス」のユーザーインターフェイスがアップデート(スクリーンショットはプレビュー版のもの)

 「プライバシー サンドボックス」は広告収益とユーザーのプライバシーを両立するために考案されたもので、Android版でもテストを実施中だ。広告プロバイダーが無制限にユーザーの情報を収集するのを防止し、プライバシーを保ったうえでWebブラウザー側でユーザーが興味を持っている「トピック」を推測、広告プロバイダーに提供する仕組みになっており、どのような情報が提供されているかや、情報提供の可否をユーザー側でコントロールできるようになっている。従来のサードパーティ製Cookieでは事実上、広告プロバイダー側のしたい放題になっていたので、大きな改善といえるだろう。

設定画面でどのような情報が広告プロバイダーに提供されているかや、情報提供の可否をユーザー側でコントロールできる

 また、一部の環境で設定の同期を開始する際のダイアログが刷新されているとのこと。そのほかにも、開発者向けの改善も数多く導入されている。

一部の環境で同期を開始する際のダイアログが刷新

 なお、セキュリティ関連の修正は全40件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は24件で、深刻度の内訳は「High」が8件、「Medium」が11件、「Low」が5件となっている。内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデートすることもできる。