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「WebGPU」をサポートした「Google Chrome 113」が正式版に ~脆弱性の修正は15件

グラフィックスの描画や機械学習モデルの推論に大きなメリット

「Google Chrome」v113.0.5672.63/.64がWindows環境に

 米Googleは5月2日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows環境にはv113.0.5672.63/.64が、Mac/Linux環境にはv113.0.5672.63が順次展開される。

 「Chrome 113」の目玉は、「WebGPU」のサポートだ。「WebGPU」は、WebアプリケーションでGPUを用いたレンダリングや計算を処理できるようにしたAPI。すでにある「WebGL」との違いは、より高度なGPU機能へのアクセスできること。「Direct3D 12」や「Metal」、「Vulkan」などと同じく、最新のハードウェアのポテンシャルを引き出せる。3Dコンテンツはもちろんのこと、AI技術への応用も期待されている。

 「WebGPU」はWebプラットフォームを念頭に設計されており、非同期処理を記述する「Promise」に対応するなど、JavaScriptでも扱いやすい。すでに広く用いられている「WebGL」ライブラリの多くは「WebGPU」対応の実装に取り組んでいるか、すでに実装を完了しているとのことで、少しの改修で「WebGPU」へ対応させることができる。

 なお、セキュリティ関連の修正は全15件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は10件で、深刻度の内訳は「Medium」が7件、「Low」が3件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデートすることもできる。