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「Google Chrome」のアドレスバー左に表示される鍵アイコンが廃止へ

9割が「サイトの安全を示す」と誤解、現在はフィッシングサイトでも表示されてしまう

鍵アイコンから、「tune」アイコンに

 米Googleは5月2日、2023年9月にリリース予定の「Chrome 117」でオムニバー(アドレスバー)の左端にある鍵アイコンを「tune」アイコンに変更することを発表した。

鍵アイコンは、9割のユーザーが「サイトの安全性を示す」と誤解

 現在表示されている鍵アイコンは、HTTPS経由でサイトが読み込まれたときに表示されるもの。ネットワーク接続がブラウザーとサイト間の安全なチャネルであり、ネットワーク接続が第三者によって改ざんされたり盗聴されたりできないことを示している。また、2021年より、鍵アイコンをクリックすることで、セキュリティ情報やコントロール設定についての詳細を表示していた。

 一方、鍵アイコンが「Webサイトの安全性を示している」と誤解されているとGoogleは指摘。2021年同社が行った調査によると、鍵アイコンの正確な意味を理解していたのは全体の11%にとどまっていたという。にもかかわらず、近年のフィッシングサイトもHTTPSを使用しているため、鍵アイコンが表示されてしまう。そのため、鍵アイコンに代わり「tune」アイコンの導入に至った。

中立的なイメージを持つ「tune」アイコン

 Googleは、「Chrome 117」において、全体的なデザインを更新する予定としており、「tune」アイコンもその一環として導入する。

 「tune」アイコンは2つの「○」と、2つの「-」で構成されたデザインとなっている。このアイコン導入により、Webサイトが「信頼できる」という意味ではないことを示すほか、アクセス許可の制御や追加のセキュリティ情報にユーザーがアクセスしやすくする狙いだ。

「tune」アイコンをクリックすると、セキュリティ情報の詳細などが確認できる

 「tune」アイコンは、デスクトップ版、Android版において表示されるが、iOS版では「鍵」アイコンはタップできないため、完全に削除される予定だという。

 Googleは今回の発表に際し、現在、ページ読み込みの95%以上がHTTPSを使用していることを踏まえ、「HTTPSの標準化に伴い、アイコンを置き換えることが長年の目標だった。今後もデフォルトで安全なWebを目指したい」とコメントしている。