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「Google Chrome 114」が正式公開 ~CHIPS、text-wrap:balance、Popover APIなどに対応
脆弱性の修正は16件
2023年5月31日 08:05
米Googleは5月30日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows環境にはv114.0.5735.90/91が、Mac/Linux環境にはv114.0.5735.90が順次展開される。
「Chrome 114」では、以下の機能がデフォルトで有効化された。
- Back/forward cache NotRestoredReason API
- Cookies Having Independent Partitioned State (CHIPS)
- CSS headline balancing
- overflow:overlay aliases overflow:auto
- Scrollend Event
- The Popover API
- Use RegExp v flag instead of u for HTML pattern attribute
- WebAssembly extended-const Proposal
- Web Bluetooth exclusionFilters option in requestDevice()
なかでも注目は、「Cookies Having Independent Partitioned State」(CHIPS)だ。
同社はサードパーティーCookieを利用したクロスサイトユーザー追跡を防止するため、サードパーティーCookieの廃止を計画している。しかし、サードパーティーCookieはかならずしもトラッキングのためだけに用いられているわけではない。他の有用な用途に関しては、移行措置を設ける必要がある。
そこで導入されるのが、クロスサイトCookieをトップレベルサイトごとに分割(パーティショニング)する「CHIPS」だ。開発者は新しいCookie属性「Partitioned」を用いることで、トラッキングできないサードパーティーCookieを扱えるようになる。
そのほかにも、「CSS headline balancing」や「Popover API」にも注目したい。
「CSS headline balancing」(text-wrap:balance)は、それぞれの行の長さができるだけ等しくなるように改行する。主に見出しでの利用が想定されており、これまで手作業で行ってきたデザインをスタイルシートで行えるようになる。
もう一つの「Popover API」は、Webページで「ポップアップ」を表現するためのAPI。すでにある「dialog」要素と似ているが、フォーカスを失うと閉じる点と、モーダル(開いている間は他の要素を操作できない)ではない点が異なる。
なお、セキュリティ関連の修正は全16件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は13件で、深刻度の内訳は「High」が8件、「Medium」が4件、「Low」が1件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。
デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデートすることもできる。