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「Google Chrome」のパスワード管理機能に5つの新機能

PWAにもなる新しいホーム画面、生体認証、メモ機能、CSVインポート機能などを導入

現行版「Google Chrome」のパスワード管理画面

 IDとパスワードの使いまわしはアカウント乗っ取りのリスクがあるが、かといってオンラインサービスごとに異なるパスワードを設定するのは管理が大変だ。そこで「Google Chrome」にはパスワードマネージャー(chrome://settings/passwords)がビルトインされており、強力なパスワードを生成したり、それを保存してあとで自動入力したり、複数のデバイスでパスワードを同期することが可能。「Chrome」がバージョンを重ねるごとに、細部の強化も行われている。米国時間6月8日に公開されたGoogleの公式ブログで、そうした最近の改善が紹介されている。

 なお、環境によってはこれらの機能がまだ利用できないことがある。自分の環境に展開されるのを待てない場合は、開発者向けバージョンなどで試してみるとよいだろう。

デスクトップ版「Chrome」に専用の画面

 まず、デスクトップ版「Chrome」でパスワードマネージャー専用のホーム画面が設けられ、「Chrome」メニュー(画面右上の横三本線のアイコン)などからアクセスできるようになった。

パスワードマネージャー専用の新しいホーム画面(chrome://password-manager/passwords)

 この画面は「プログレッシブ Web アプリ」(PWA)としてシステムにインストールし、デスクトップにショートカットを作成することも可能で、「Chrome」とは独立したアプリのように扱うこともできる。

PWAとしてシステムにインストールし、デスクトップにショートカットを作成することも

生体認証

 これまでモバイルでしか利用できなかった生体認証(Windows環境の場合は「Windows Hello」)が、デスクトップでも利用可能になる。従来の「Chrome」は他人が操作できる状態でもパスワードが自動で入力されることがあったが、指紋認証や顔認証を挟むことでセキュリティを強化できる。

デスクトップでも生体認証でパスワードの自動入力をロック

アカウントに関するメモ

 たとえば証券口座のアカウントでは、ログイン用のパスワードと決済用のパスワードが異なる場合がある。しかし、従来のパスワードマネージャーはこうした複数のパスワードをもつWebサイトを十分に考慮していなかった。

 そこで、資格情報(IDとパスワードの組み合わせ)にメモを追加する機能が導入された。これがあれば、同じサイトに複数のパスワードが保存されていても、メモを見ればパスワードの用途を見分けることができる。

資格情報にちょっとしたメモを追加。複数のパスワードをもつWebサイトでもわかりやすい

他のパスワードマネージャーからのインポート

 すでに他のパスワードマネージャーを利用しているが、「Chrome」のパスワードマネージャーを試してみたい、「Chrome」のパスワードマネージャーに乗り換えたいといったユーザーのために、CSVインポート機能が追加された。パスワードマネージャーの多くは保存されたパスワードの一覧をCSV形式でエクスポートできるので、サービスの移行が容易になる。

CSV形式のパスワード一覧をインポート

iOSで再利用されたパスワードや脆弱なパスワードを見つける

 iOS版「Chrome」のパスワードマネージャーも強化され、漏洩したパスワードを指摘するだけでなく、弱いパスワードや再利用されたパスワードをチェックする機能が追加される。これは今後数カ月以内に導入されるとのこと。

iOS版「Chrome」のパスワードマネージャーも強化

 また、パスワードの自動入力プロンプトがより大きく、タップしやすくなったり、1つのアカウントに対し複数のアカウントが保存されている場合にグループ化して見やすくするなどの改善も施される。