レビュー
Microsoft自身が提供 ~「Edge」の保存パスワードを「Chrome」で利用可能にする拡張機能
「Authenticator」モバイルアプリと組み合わせれば、ほぼすべての環境でパスワードを同期できる
2020年12月21日 16:26
「Microsoft オートフィル」は、「Microsoft Edge」(Microsoft アカウント)に保存されたパスワードを「Google Chrome」で利用できるようにする拡張機能。編集部にて、Windows 10の「Chrome 87」で動作を確認した。“Chrome ウェブストア”から無償でダウンロードできる。
Windows、Mac、Linux、iOS、Android……と異なるプラットフォームを使い分けていると問題になるのが、パスワードの同期だ。最近はセキュリティ意識の向上により、IDとパスワードの使いまわしは減っているものと思うが、代わりにパスワードの保存と同期、自動補完を行う機能、いわゆる“パスワードマネージャー”の重要性は増すばかり。パスワードの同期・補完のない環境では、Webサービスにログインするのが面倒でたまらない。
「Google Chrome」ならばすべてのプラットフォームをカバーしているので(「iOS 14」以降はデフォルトのWebブラウザーを「Safari」以外にすることもできる)、これにパスワードを覚えさせておけばたいていは解決できる。しかし、アプリ内ブラウザーでパスワード入力を求められると、パスワードを調べて手入力しなければならず、やはり大変だ。そのため、「1Password」のような有料ソリューションを導入している人も少なくないだろう。
その点、「Microsoft Edge」ならば「Microsoft Authenticator」モバイルアプリがパスワードの同期に対応し、iOSとAndroidのオートフィルプロバイダーとして利用できる(ベータ版)。そのため、モバイル端末のアプリ内ブラウザーでパスワードを求められるケースにも対応可能。デスクトップはWindows、Mac、Linuxをカバーしており、Canaryリリースでもよいのであれば“Apple Silicon(M1)”デバイスでもネイティブ動作する。「Chrome」の代わりに「Edge」を使うのも有力な選択肢だ。
問題となるのは「Chrome OS」ぐらいだが、それも今回紹介する「Microsoft オートフィル」があれば解決できる。デスクトップPCで「Edge」と「Chrome」(Chromium系のWebブラウザーを含む)を使い分けているユーザーにも役立つだろう。
使い方は簡単で、拡張機能をインストールして“Microsoft アカウント”にログインするだけだ。あらかじめ「Microsoft Authenticator」モバイルアプリをセットアップしておけばパスワードレスでログインできるので、ぜひインストールしておこう。
パスワードの入力を求めるWebページを開くと、パスワードの入力欄に鍵アイコンが表示され、「Microsoft Edge」(Microsoft アカウント)に覚えさせたIDとパスワードの組み合わせがサジェストされる。新規にアカウントを作成した時も、“Microsoft アカウント”にパスワードを覚えさせることが可能。覚えさせたパスワードは、「Edge」やiOS/Androidで使える。
そのほかにも、“Microsoft アカウント”に保存したパスワードをリストアップする機能や、CSV形式で管理したパスワードデータをインポートする機能を備える。これを機に、パスワードの管理を「Microsoft Edge」(Microsoft アカウント)に集約してみてはいかがだろうか。
ソフトウェア情報
- 「Microsoft オートフィル」
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.2.6(20/12/16)