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「Microsoft Edge」に保存したパスワードがiOSの「Safari」やAndroidの「Chrome」でも利用可能に

「Microsoft Authenticator」アプリがパスワード同期にベータ対応

「Microsoft Authenticator」アプリがパスワード同期にベータ対応

 米Microsoftは12月15日(現地時刻)、「Microsoft Edge」で“Microsoft アカウント”に保存したパスワードをモバイル端末のWebブラウザーでも自動補完(オートフィル)できるようになったと発表した。iOS/Android向け「Microsoft Authenticator」アプリの最新版ではパスワードの同期がベータ版として提供されており、これをOS標準のオートフィルプロバイダーに設定することで自動補完が可能となる。

 「Microsoft Authenticator」は、パスワードレスで“Microsoft アカウント”へログインできるようにするモバイルアプリ。スマートフォンに送られてきた通知を承認するだけで、パスワードを入力することなく“Microsoft アカウント”にログインできて非常に便利なので、Microsoftのサービスを利用しているユーザーならばぜひ導入してもらいたいアプリだ。多要素認証(2段階認証など)の認証アプリとして利用することも可能で、“Google”や“Facebook”など、ワンタイムパスワードに対応したアカウントの管理・認証も行える。

 今回のアップデートで、ベータ版ながら「Microsoft Authenticator」アプリをパスワード保管庫として使えるようになり、iOSの「Safari」やAndroidの「Google Chrome」からも「Microsoft Edge」に保存したパスワードにアクセスできるようになった。有料の「1Password」に頼らなくても、さまざまなプラットフォームでシームレスにパスワードの同期が行えるのは便利だ。

補完機能の利用方法

 iOS版「Microsoft Authenticator」アプリの場合、以下の手順で自動補完を有効化できる。

 まず、「Microsoft Authenticator」アプリを起動し、画面左上のハンバーガーメニュー(横3本線のアイコン)から[設定]画面にアクセスする。すると、下の方の[ベータ]セクションに[オートフィル]というトグルスイッチがあるはずなので、これをONにしよう。

「Microsoft Authenticator」アプリを起動し、画面左上のハンバーガーメニュー(横3本線のアイコン)から[設定]画面にアクセス
[ベータ]セクションの[オートフィル]というトグルスイッチをONに

 するとダイアログが現れるので、[作業の開始]ボタンをタップして[パスワード(ベータ)]画面に進む。パスワードの同期にはしばらく時間がかかるが、完了すると「Microsoft Edge」に保存されたパスワードがリストアップされるだろう。「Microsoft Authenticator」アプリでの設定はこれで完了。次はOSの「設定」アプリに移り、「Microsoft Authenticator」アプリをオートフィルプロバイダーに加える。

ダイアログが現れるので、[作業の開始]ボタンをタップ
[パスワード(ベータ)]画面
パスワードの同期にはしばらく時間がかかる
完了すると「Microsoft Edge」に保存されたパスワードがリストアップされる
画面下のタブを[Authenticator]に切り替えると、オートフィルプロバイダーを設定するよう促すバナーが現れる
次は案内に従ってOSのオートフィルプロバイダーを設定する

 オートフィルプロバイダーの設定にアクセスするには、「設定」アプリで“パスワード”、“自動入力”などと検索するのがお勧めだ。「設定」アプリの検索ボックスは隠されているが、画面を少し下へスクロールすると現れる。

 設定画面に移動したら、[パスワードを自動入力]をタップする。すると、利用可能なオートフィルプロバイダーに「Authenticator」が追加されているはずなので、チェックをONにする。これで「Safari」などでも「Authenticator」「Edge」に保存されたパスワードを自動補完できるようになるだろう。

オートフィルプロバイダーの設定にアクセス。「設定」アプリで“パスワード”、“自動入力”などと検索するのがお勧め
設定画面に移動したら、[パスワードを自動入力]をタップ
オートフィルプロバイダーのリスト。「Authenticator」のチェックをONに
これで設定は完了
試しに「Safari」でパスワード入力を求めるサイトにアクセス
[パスワード]をタップすると、オートフィルプロバイダー「Authenticator」が現れる

 Android版「Microsoft Authenticator」に関しても、同じような手順で設定を行えばよい。「Google Chrome」で「Authenticator」「Edge」に保存されたパスワードが利用できるようになるはずだ。デスクトップ版「Google Chrome」で「Edge」に保存されたパスワードを利用したい場合は、「Microsoft オートフィル」拡張機能が利用できる。

 なお、今回紹介した「Microsoft Authenticator」のオートフィル機能はiOS 12.0またはAndroid 6.0以降が必要となるので注意。また、この機能はまだプレビュー中のため、アカウントの種類によっては使えないこともある(その場合は、機能を有効化するトグルスイッチがグレーアウトされる)。

ソフトウェア情報

「Microsoft Authenticator」iOS版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
iOS 11.0以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.5.14(20/12/17)
「Microsoft Authenticator」Android版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Android 6.0以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.2012.8446(20/12/18)