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メタバースで「別世界を作る」日本と「現実世界を拡張する」アメリカ、メタバース観の違いを検討したMITの論文が公開

バーチャル美少女ねむ氏による日本語訳もnoteで公開中

バーチャル美少女ねむ氏の著書などを参考に日本独自のメタバース観を分析したMIT論文が発表

 (株)ブイノスは、マサチューセッツ工科大学(MIT)准教授によって発表された日本独自のメタバース観を分析した論考において、バーチャル美少女ねむ氏の『メタバース進化論』、加藤直人氏の『メタバース さよならアトムの時代』、岡嶋裕史氏の『メタバースとは何か』、動く城のフィオ氏の『メタバース革命』の計4冊の、日本のメタバース書籍が取り上げられたことを報告した。

 今回発表されたのは、MIT准教授のポール・ロケ(Paul Roquet)氏による論文「日本のメタバースへの退却(Japan’s Retreat to the Metaverse)」。同氏はVRやARなどの没入型メディアの日常生活に対する影響に焦点をあてた研究を進めている。

 「メタバース」に関して論文は、Facebookが「Meta」へとブランド変更し、Metaが「仮想空間を現実のオフィス環境と統合する」ことを目指す一方、日本においては快適で制御可能なメディアに没入することを目的とし、「現実とは異なる世界を制作する」ことを目指していると言及。その上で、両者におけるメタバース観の違いを検証し、コミュニケーションの営利化を目的とするアメリカの技術プラットフォームに依存することを批判的に検討した内容になっている。

「日本のメタバースへの退却(Japan’s Retreat to the Metaverse)」

 また、論文内において、日本独自のメタバース観を解説するために、以下の4冊のメタバース関連書籍からの引用が行われた。

論文内で引用されたメタバース解説書(敬称略)

  • バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』(技術評論社)
  • 加藤直人『メタバース さよならアトムの時代』 (集英社)
  • 岡嶋裕史『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』 (光文社新書)
  • 動く城のフィオ『メタバース革命 バーチャル経済圏のつくり方』 (扶桑社)

 ブイノスは発表された論文に対し、日本の「オタク」たちによる「現実とは違うもう一つの世界に逃避する」"強い"メタバース観と、Metaが描く「現実を拡張する」"弱い"メタバース観を比較検討した、非常に興味深い内容だと評価している。

 なお、論文の発表を受け、同社所属のバーチャル美少女ねむ氏がブログ記事にて、論文の一部を日本語訳したものを公開している。