やじうまの杜
日産がメタバースと現実世界を同時に繋ぐ!? バーチャル空間をもっと身近に感じた「ハンドルぐるぐる体操体験会」
運動不足解消にもおすすめなバーチャルとリアル双方向のイベントを体験
2023年3月16日 13:55
自動車メーカーの日産自動車(株)は3月4日、メタバースプラットフォーム「VRChat」上のバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」と、実在する東京・銀座のショールーム「NISSAN CROSSING」で、高齢ドライバーの安全走行を促進・啓発する「ハンドルぐるぐる体操体験会」を開催しました。
「ハンドルぐるぐる体操」は、日産と新潟大学が共同でコンセプト検討を行ない、新潟大学が体操のプログラムを創作したものです。この体操は「正しく継続して行うことで、運転に必要な筋力、認知力を高める効果が期待され、高齢ドライバーに限らずどなたにでも健康増進効果が見込まれています」とのことで、実際にハンドルのような円形の道具を持ってぐるぐると回すような動きはもちろん、体の各所を伸ばすなど、全身を動かす本格的な体操になっています。
このイベントのポイントはメタバースと現実世界を同時に繋いで、双方向のイベントとして開催したことです。どうしても「メタバースのイベントはメタバースだけ。現実世界のイベントは現実世界だけ」となりがちだと思います。日産はその部分を双方向に繋げる試みにチャレンジしていました。
具体的には、銀座の「NISSAN CROSSING」と、VRChat上の「NISSAN CROSSING」にそれぞれ人が集まり、同時刻に「ハンドルぐるぐる体操」を行なうというものです。メタバース側の様子は現実世界側に中継されており、同様に現実世界側の様子も一部メタバース側に共有されていました。
今回、私はメタバース側で参加したのですが、約30人のメタバース住人たちが会場を訪れ、みんなで「ハンドルぐるぐる体操」を行ないました。見本を披露してくれたのは、VR空間で活躍するアクターチーム「カソウ舞踏団」の皆さんです。今回のイベントでは人型のアバターではなく、かわいらしい動物アバターでの登場でした。
そしてメタバース側の参加者も普段使っている思い思いのアバターで参加です。動物や人間といった種族を越えたアバターの数々が同じ体操を一緒にしているのは改めてメタバースらしい特徴だな、と感じました。
一方、銀座側はもちろん現実の普段の姿で参加していました。多くのちびっこたちが楽しそうに体操している姿がとてもかわいらしく、その姿にはメタバース側の参加者も大いに盛り上がっていました。
そしていよいよ「ハンドルぐるぐる体操」のスタートです。普段は全くといってよいほど体を動かさない私ももちろん体操に参加します。体操の感想は体をほぐしたり、簡単な筋力トレーニングにちょうどよさそうという印象でした。体操自体の時間は1回あたり約2分とそんなに長くないのですが、ストレッチ・筋力トレーニング・頭の体操と、目的の異なる運動が盛り込まれており、終わったあとは体がすっきりしました。
「ハンドルぐるぐる体操」への参加者にお話を聞いてみると、「いざ体操をしてみると改めて普段運動していないことがわかりました。簡単にできてよいと思いました」という声が聞けました。また「フィットネスジムに行くのは大変ですが、こういう形ならすぐに自宅からできますし、1人でやるのは続かないですけど、知り合いがいたりみんながいるときっかけになるので、それがすごくよいかなと思いました」と、メタバースという場で運動をするメリットも感じていたのが印象的でした。
イベント最後に、日産の担当者の方は「車を売るだけではなく、交通安全についてもさまざまな取り組みを行なっており、思いやりライト運動や交通安全未来創造ラボなどの啓発活動も行なっています。ハンドルぐるぐる体操はそういった背景から生まれた体操です」と話していました。
リアルとバーチャルを繋いで1つのイベントを行なうというチャレンジングな試みはもちろん、現実の銀座のショールームで参加している人たちに「メタバースってこんなところなんだよ」と身近に感じてもらえたのは、一メタバース住民として嬉しい限りでした。
ちなみに、自宅にいるとなかなか体を動かすきっかけはありませんが、メタバースという世界にいることで、ほかの住人たちと(物理的にはその場で)一緒に話しながら運動できるというのは非常に面白く楽しい経験でした。メタバース内でラジオ体操など体を動かすアクティビティをしているグループもあるので、遊びに行って現実世界側でも健康になりたいなと思いました。