でんこと旅するメタバースの世界

話題の「メタバース飲み会」に潜入! VRヘッドセットをつけて飲むコツは“ストロー付きのタンブラー”?!

Zoom飲みよりも盛り上がる! もう終電なんて気にしなくていい

 この連載では「メタバース」という、現実とは異なるもう1つの素敵な世界について、メタバースライターである私、でんこがその魅力や楽しみ方などをお届けします。ぜひ私と一緒に新たな世界へ旅立ってみませんか。
今回はVRChatにある「ポピー横丁」という、メタバース飲み会のメッカへ遊びに行ってきました

 こんにちは、でんこです。これまでもこの連載でお届けしてきたように、メタバースの世界ではさまざまな過ごし方があります。今回は人気の過ごし方の1つ「メタバース飲み会」について紹介したいと思います。

 「メタバース飲み会」は「VR飲み会」といった表現をされることもありますが、内容は大きく変わりません。メタバース空間に入りながら、お酒を飲み、その中でおしゃべりや音楽を楽しむというものです。現実世界でお酒を飲むのとあまり変わりない楽しみ方ですね。

 「メタバース飲み会」は各メタバースプラットフォームで行われており、よく使われるワールドもバラバラです。今回はその中でもVRChatの「ポピー横丁」というワールドに突撃してきました。気になるワールド内の様子をはじめ、中でメタバース飲みを楽しんでいる住人の方にお話を聞くことができたので、その模様をお届けしたいと思います。

メタバースならでは飲み体験。時間や距離、終電も気にしなくて済む新スタイル

 「ポピー横丁」は、コクリコさんというメタバースの住人が制作したワールドです。新宿にある飲み屋街“ゴールデン街”をモチーフに作成されたそうです。

 このワールドは、メタバース飲み会のメッカともいえるワールドで、地上波のテレビ番組やWebメディアなどから複数回取材されたこともある人気ワールドです。パブリックな誰も遊びに行ける開かれた空間で、毎夜のようにお酒を楽しみたい住人が訪れて賑わっています。

「ポピー横丁」の様子。入口から実際の飲み屋街のような雰囲気を感じられます

 「ポピー横丁」へは何度か私も遊びに行ってみましたが、いくつかの居酒屋やスナックなどが並んでいて、時間によってはお店の中で接客をしている住民もいました。また通路でワイワイと飲んでいる方もいらっしゃって、のびのびと楽しんでいる印象です。

このワールドの中にはバーチャル居酒屋やスナックがあります
お店の様子。雰囲気がたまりませんね
タイミングによっては店員のロールプレイをしている住民がいます

 さて、実際にこのワールドで飲み会をしていた住民にお話を聞くことができました。

 メタバースの世界でお酒を飲む魅力について聞いてみると、「いろいろな魅力がありますが、最も大きいのは、物理的距離や終電を気にしなくて済むことです」と話してくれました。

 例えば、お仕事帰りにどこかの居酒屋で飲んで帰るとすると、飲んでいる途中はとても楽しいのですが、楽しい時間が終われば当然ながら家に帰る必要があります。飲む場所によりますが、近くても徒歩で自宅まで、遠いと電車やバスを乗り継いで時間をかけて帰宅する方もいらっしゃるかもしれません。

 そうなると時間もかかりますし、交通機関が混んでいる可能性もあります。せっかくお酒を飲んで楽しくなっていたのに、そういった気分が醒めてしまうこともあるでしょう。

 ですが、メタバース飲みならば当然自宅でお酒を飲んでいるので、飲み会が終わったらすぐに布団に入って寝ることができるのです。「移動にかかる時間や体力のロスがほとんどないことは大きなメリットですよね」と住民の一人は語ってくれました。私もときどきメタバースの世界で飲むことがありますが、これは私も感じているメリットの1つです。

 ほかにも「ヘッドマウントディスプレイを被って臨場感のある空間でおしゃべりを楽しめる」というのもメリットだと感じているそうです。

 「“Zoom飲み”のようなオンライン飲み会も一時期ブームになりましたが、あれは平面的な空間で臨場感がありません。ヘッドマウントディスプレイを被って飲み会をすると、本当にそこにいる臨場感を得られます、それもまた魅力の1つです」と語ってくれました。

 ちなみに、これは余談になるかもしれませんが、VRヘッドセットを被りながらお酒を飲むと、どうしても手がグラスに当たったりしてお酒をこぼしがちです。メタバース飲みの熟練者はストロー付きのタンブラーを使うなど、さまざまな工夫をしているそうです。

実際にメタバース空間で乾杯している様子を撮影させていただきました。盛り上がりや賑やかさもあり、一緒にいるだけでとても楽しいです

 たしかにZoom飲みは参加者がずらりと1つの画面に並び話すことができます。ただ誰かと近づいて話したり、逆に距離をとって別の話題をすることもできません、あくまでも並列という印象です。ですが、メタバース空間は3D空間なので、そういったことが可能になります。誰かが話し終わるのをじっと待つ必要もありません。これは大きな違いだと思いました。

 最後に、この「ポピー横丁」というワールドの魅力についても聞いてみました。そうすると「このワールドには本当にいろんな人が訪れます。例えば弾き語りをする住民や、突発的にDJのパフォーマンスが行われることもあります。新しい人との出会いもあり、そういった偶発性のようなものがあるから、魅力を感じているのかもしれません」と語ってくれました。

 パフォーマンスをする側としても、現実世界で飲み屋街を回って弾き語りをするのはハードルが高いと思います。メタバース空間ならそういったハードルも低く、多くの人に聞いてもらえる可能性があると思います。それらが組み合わさっているのも魅力の1つなのでしょう。

 この連載でも何度かお伝えしている通り、私たち住人にとってメタバース空間で時を過ごすことは、そこで暮らしていることと同意義です。現実世界で友だちとテーマパークに遊びに行くようにメタバース空間でもアトラクションで遊びますし、現実世界で飲み会をするようにメタバース空間でもお酒を飲む。それは特別なことではなく日常の一面です。

 いまはまだメタバース空間と現実空間には大きな差がありますが、ハードウェア面やソフトウェア面がさらに進化し、この2つの空間の壁が限りなく低くなったとき、メタバースで現実と同じ過ごし方をすることは当たり前になるのだろうなと思います。そのときはメタバース空間にはメタバース空間ならではの魅力やメリットがあり、現実空間には現実空間ならではの魅力やメリットがあります。きっと未来ではそれらを使い分けながら毎日を過ごしていくのではないでしょうか。

 メタバース文化の1つとして、変に身構えずに「メタバース飲み」をぜひ体験してみてくださいね。

著者プロフィール:でんこ

バーチャルに活動の場を移したゲームライター。得意分野はビデオゲーム全般だが、最近はメタバースへの関心が強い。
ライターとしてさまざまなメディアで執筆する一方、メタバース内ではラジオパーソナリティや、DJなどの活動を通して、メタバースの魅力を多くの人に伝えるべく活動中。

・著者Webサイト:https://note.com/denpa_is_crazy/

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