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「Excel」数式バーが等幅フォントに ~まずはWindows版ベータビルドでテスト

複雑な数式の可読性が向上、デバッグもやりやすく

「Microsoft Excel」の数式バー

 米Microsoftは8月18日(現地時間)、「Microsoft Excel」の数式バーを改善する方針を明らかにした。これまでは数式の描画に可変幅(プロポーショナル)フォントが用いられていたが、これを等幅フォントに改めるという。

 等幅フォント(monospaced font)は、すべてのグリフ(字体)幅が等しくなるようにレンダリングされるフォントの総称。文字に合わせて余白を調整して見栄えよくレンダリングできる可変幅フォントと異なり、数字の「1」やアルファベットの「I/i」のような縦長のグリフを詰めてレンダリングしないため、間延びした表示になってしまうのが欠点だ。

 しかし、グリフが一定の幅で配置されることが保証されている点は、ソースコードなどの表示には向いている。

可変幅(プロポーショナル)フォントと等幅フォントの違い

 たとえば、半角換算で同じ文字数であれば、等幅フォントのテキストはかならず同じ幅になる。そのため、数式を並べた際に横方向だけでなく縦方向にもそろって読みやすく、インデントやブロックの構造を美しく維持できる。

 また、ソースコードや数式で頻繁に用いられる括弧やコロン、ドットなどの記号にも十分な幅が与えられているので、視認性が高い。エラーやタイプミス、不一致箇所を見つけやすく、デバッグもやりやすくなる。等幅フォントは数字の「1」や大文字の「I」といった紛らわしいグリフを見分けやすくする工夫が凝らされているものが多く、その意味でも数式の表示には適している。

 さらに、クロスプラットフォームでの一貫性といった点でもメリットがある。異なるシステムへコードをコピー&ペーストすると、可変幅フォントでは見栄えが崩れてしまうことが少なくないが、等幅フォントではその心配はあまりない。

 この変更は、まず「Microsoft 365 Insider」のWindows向けBetaチャネルでテストされる。大きな問題がなければ、他のチャネルやプラットフォームにも展開が拡大されていくだろう。