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「Excel」が生まれる6年前からある「手動計算モード」にMicrosoftがテコ入れ

Windows版ベータビルドにテスト導入、順次ほかのプラットフォームへ拡大

「Microsoft Excel」の「手動計算モード」(Manual calculation mode)

 米Microsoftは8月8日(現地時間)、「Microsoft Excel」でもっとも古い機能の一つである「手動計算モード」(Manual calculation mode)を大幅に改良したと発表した。まずはWindows版「Microsoft 365 Insider」のベータビルドにテスト導入し、順次ほかのプラットフォームへ拡大していくという。

 「手動計算モード」は1979年、「VisiCalc」に導入されたオプション。今をさかのぼること44年、「Excel」が初めてリリースされる6年も前からある古い機能だ。スプレッドシートのデータが膨大だと、自動計算はシステムに対する負荷が大きくなってしまうが、手動計算モードならばユーザー側で「再計算」のタイミングを選ぶことができる。

 ただし、計算結果が古くなっていることにユーザーが気付かず、「再計算」を忘れてしまうことがあるのが欠点とも言える。

 そこで、Windows向けのプレビュー版では古くなったデータに打消し線が追加されるようになった(Stale Value Formatting)。データが陳腐化し、更新しなければならないことが一目でわかる。

古くなったデータに打消し線が追加

 データの陳腐化が発生するのはたいてい「手動計算モード」だが、「自動計算モード」でも[Esc]キーで計算を中断したときに起こりうる。この場合も、ちゃんと打消し線が表示される。陳腐化したデータに打消し線の書式が不要な場合は、設定で無効化することも可能。

陳腐化したデータに打消し線の書式が不要な場合は、設定で無効化することも可能

 また、古い値を含むセルを選択した場合に、警告アイコンが表示されるようになった。このアイコンをクリックすると、計算をトリガーしたり、自動計算モードへ切り替えたりするためのコンテキストメニューが表示される。

古い値を含むセルを選択した場合に、警告アイコンが表示されるように