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「Vivaldi 6.2」がリリース ~React Portal採用で新規ウィンドウを開く処理が大きく改善

メモリ使用量も削減され、全体的なパフォーマンスが向上

「Vivaldi」v6.2.3105.43

 ノルウェーのVivaldi Technologiesは8月30日(現地時間)、デスクトップ版「Vivaldi 6.2」を正式公開した。本バージョンでは、新規ウィンドウを開く処理が改善。メモリ使用量が削減されたほか、全体的なパフォーマンスが向上しているという。

 デスクトップ版「Vivaldi」のユーザーインターフェイスには、以前より「React」が用いられているという。「React」はUIを構築するためのJavaScriptライブラリで、Meta(旧:Facebook)を中心に開発が進められている。UI部品をコンポーネントとして定義し、コンポーネント単位で構造やスタイリング、データのやり取りなどを管理できるため、責任範囲が明確で、状態管理がしやすく、実装をシンプルにできるというメリットがある。パフォーマンスに優れ、再利用性や保守性も高い。

 しかし、当初の「Vivaldi」実装ではそれぞれのウィンドウへ個別にドキュメントが割り当てられる仕組みになっていた。これを「React」のポータル(Portal)と呼ばれる機能を用いて書き直せば、1つのUIドキュメントを複数のウィンドウで共有して処理できるため、複数のウィンドウをハンドリングする仕組みが単純になる。

 そこで、開発チームはポータルベースの実装へ書き換える作業にこの数年間を費やしてきたのだという。その甲斐あって、内部テストでは新しいウィンドウを開く速度が以前のバージョンと比較して37%高速化された。2018年以前の古いバージョンとの比較では、実に64%の差が出たという。

 この新しい実装は「Vivaldi」のさまざまな部分で利用されているため、たとえばWebサイトが開くポップアップウィンドウも以前より素早く開けるようになっているとのこと。

 そのほかにも、「Vivaldi 6.2」では以下の改善が盛り込まれている。

  • アドレス欄での候補の優先度変更機能
  • MacOSで位置情報サービスが復活
  • 履歴パネルにブラウジングデータ消去ボタン
  • アドレスバーのRSSアイコンでフィード機能がより見つけやすく、使いやすく
  • 新しいメールフィルター
  • 「FastMail」のOAuth認証対応

 デスクトップ版「Vivaldi」は、Windows/Mac/Linux/ChromeOSに対応するクロスプラットフォーム対応アプリケーションで、現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。Android版も同時にリリースされている。

ソフトウェア情報

「Vivaldi」Windows版
【著作権者】
Vivaldi Technologies AS
【対応OS】
Windows 10以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.2.3105.43(23/08/30)